「リスティング広告」と聞いて思い浮かべる媒体といえば、「Yahoo!」と「Google」ですよね。リスティング広告の二大提供媒体として知られているYahoo!とGoogleは、それぞれ知名度も高く、利用者も多い印象がある魅力的な媒体です。リスティング広告の出稿開始を考えたとき、どちらの媒体に広告を出稿するべきか、もしくは双方に出稿しないと広告の効果が得ることができないのかは、広告担当者であれば誰もが知りたいところです。
Yahoo!Japanが提供する「Yahoo!プロモーション広告」とGoogleが提供する「Google Adwords」は、同じリスティング広告でも、それぞれ特徴をもっています。ふたつの媒体の違いを把握して、自社の商品やサービス、運営しているサイトへの流入に効果があるのは、果たしてどちら媒体なのかを比較検討してから出稿を始めたいですね。
そこで今回は、二大リスティング広告Yahoo!とGoogleのどちらに出稿すべきかを徹底比較していきます。
目次
それぞれのサービスで出稿できる広告の種類
ふたつの媒体を徹底比較する前に、まずはYahoo!が提供する「Yahoo!プロモーション広告」とGoogleが提供する「Google Adwords」がどのようなサービスなのかを確認しておきましょう。
Yahoo!プロモーション広告
「Yahoo!プロモーション広告」はYahoo!Japanが提供するインターネット広告の総称です。Yahoo!プロモーション広告で出稿できる広告には次の種類があります。
- スポンサードサーチ
Yahoo!Japan上で検索をした際、そのキーワードに応じて、検索結果画面に広告を表示する検索連動型広告 - Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
ターゲットとして設定した条件に一致するインターネットユーザーが閲覧しているYahoo!JapanやYahoo!Japanが提携しているサイトに広告を表示するディスプレイ広告 - Twitter広告
Twitter利用者のタイムラインや検索結果、おすすめユーザー欄に広告を掲載できるサービス
Google Adwords
「Google Adwords」はGoogleが提供するPPCオンライン広告の総称です。Google Adwordsで出稿できる広告には次のような種類があります。
- 検索広告
Google上で検索をした際、そのキーワードにおうじて 、検索結果そのキーワードに応じて、検索結果画面に広告を表示する検索連動型広告 - ディスプレイ広告(GDN)
ターゲットとして設定した条件に一致するインターネットユーザーが閲覧しているGoogleやGmailなどのGoogleサービス、Googleが提携しているサイトやアプリに広告を表示するサービス - 動画広告
YouTubeで動画を視聴や検索を行なっているユーザーに動画形式の広告を表示するサービス
「Yahoo!プロモーション広告」と「Google Adwords」どっちを選ぶ?
それぞれ特徴をもつYahoo!とGoogleですが、インターネット広告の予算が限られていたり、広告を運用する人員数が確保できなかったりすると、どちらか一方を選ばざるをえないこともあります。どちらでリスティング広告を出稿するかは、どのような基準で決めたらいいのでしょうか。広告を出稿する媒体を決める基準となる項目について、Yahoo!とGoogleで比較してみましょう。
操作性ではややGoogle優勢?
リスティング広告は、掲載を開始することよりもその後の効果分析や広告の更新などの運用管理が重要です。管理画面などの操作性がよくないと、時間や人員数を割くことになり、費用対効果の高い広告として運用することが難しくなります。
「Google Adwords」は、すべての種類の広告がひとつの管理画面で操作できます。複数のタブで画面を開いて設定する必要がないので、効率的に設定することができます。Adwords全体で一括管理なので、「検索広告」「ディスプレイ広告」が別の種類であるという感覚を持ちづらいかもしれません。
一方の「Yahoo!プロモーション広告」は、「スポンサードサーチ」「YDN」「Twitter広告」で、それぞれの管理画面があります。すべての種類の広告を出稿している場合には3画面での設定が必要になるので、少し手間がかかります。しかし、3種類の広告を出稿していることを意識できるので、予算配分などの観点では混乱は避けることができます。
いくつも画面を開くより、ひとつの画面で操作を完了したい人にはgoogle、広告を種類別に管理したいという人にはYahoo!が適しています。
広告の配信先は的を絞ったYahoo!と幅広いGoogle
検索連動型広告の配信先は、Yahoo!JapanとGoogleそれぞれの検索結果画面です。検索にYahoo!を使用するユーザーか、Googleを使用するユーザーかで広告が表示されるかどうかが決まります。当然ですが、Googleにだけ出稿している広告は、Yahoo!で検索したユーザーには表示されません。
ディスプレイ広告は、それぞれが提携するネットワークのなかで展開されます。主な配信先は次のとおりです。
YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)の主な配信先
ヤフオクやYahoo!ニュースなどYahoo!Japanが提供するコンテンツのほか、以下のページに掲載されている提携サイトに広告が配信されます。法人サイトを対象としており、ブログなどの個人サイトは対象に含まれていません。そのため、配信先の総数はそれほど多くありませんが、信頼性の高い媒体である確率が高い傾向にあります。
【参照先:広告掲載サイト|Yahoo!プロモーション広告】
Googleのディスプレイ広告(GDN)の主な配信先
GmailやYouTubeなどGoogleが提供するコンテンツのほか、Googleが提携しているサイトやアプリに広告が配信されます。Googleのディスプレイネットワークは、法人だけでなく個人のブログなども含まれ、広告掲載は、200万以上のウェブサイトと65万種類以上のアプリが対象となります。
【参照先:広告の掲載先|Adwordsヘルプ】
配信媒体を信頼度の高い法人のみに絞るか、個人サイトも含めてとにかくリーチの幅を広げたいかで選ぶ出稿先は変わってきます。
広告表示オプションはGoogleの圧倒的勝利
双方のリスティング広告には、広告表示オプションがあります。広告表示オプションを利用すると、広告に表示できる情報量が増えるため、費用は発生するものの、広告としての効果は高まることが期待できます。
Yahoo!「スポンサードサーチ」の広告表示オプション
次の3種類のオプションがあります。
- クイックリンクオプション
- 電話番号オプション
- テキスト補足オプション
GoogleAdwordsの広告表示オプション
次の11種類のオプションがあります。
- 住所表示オプション
- アフィリエイト住所表示オプション
- コールアウト表示オプション
- 電話番号表示オプション
- メッセージ表示オプション
- サイトリンク表示オプション
- コールアウト表示オプション
- 構造化スニペット表示オプション
- 価格表示オプション
- レビュー表示オプション
- アプリリンク表示オプション
オプションの種類で比較すると、圧倒的にGoogleの勝利といえます。ただし、追加費用がかかるオプションは使用したくないという場合には、特に問題視することもないでしょう。
利用者数はPCがYahoo!、スマホがGoogle
広告を配信するにあたって気になるのは、Yahoo!とGoogleどっちの利用者が多いの?という点ではないでしょうか。ニールセンが発表した日本のインターネットサービス利用者数ランキングによると、PCサイトからの利用者数は「Yahoo!」が1位、「Google」が2位で、Yahoo!に軍配が上がります。一方でスマートフォンからの利用者数は「Google」が1位、「Yahoo!」が2位と、その順位が逆転します。
利用者数の観点からすると、PCでの広告掲載を優先する場合にはYahoo!、スマートフォンでの広告展開を重視する場合にはGoogleがおすすめといえます。
【引用元:TOPS OF 2017: DIGITAL IN JAPAN ~ニールセン2017年 日本のインターネットサービス利用者数ランキングを発表~|Nielsen】
以前は、「Googleを利用している人はITリテラシーが高い」などと言われていたこともありましたが、Yahoo!を利用している人がITリテラシーが低いとは限りません。日本でインターネットサービスの展開を始めたのはGoogleよりもYahoo!が先だったことから、最初に使ったインターネットサービスはYahoo!であるという人も多いのではないでしょうか。
その後Googleが日本でもインターネットサービスを展開し、Yahoo!の利用者数に迫る存在となりました。PCでの利用者数こそ、まだYahoo!には至らないものの、スマートフォンでの利用者数ではすでに1位のザを不動のものにしています。2016年以降、スマートフォンでインターネットを利用する人数がPCでインターネットを利用する人数を超え、スマートフォン所持率が高い若年層ではGoogleの利用者が増加しています。
利用者数の観点と同じ結論にはなりますが、スマートフォンでインターネットを活用することが多い若年層をターゲットにする場合はGoogle、PCでインターネットを活用することが多い年齢層をターゲットにする場合にはYahoo!が有効と考えられます。
結果、どちらから始める?
ここまで比較した結果、明確な勝敗がついているのは「広告表示オプション」の項目だけです。それ以外の項目については、どちらが自社の運営するサイトの広告を出す媒体として適しているかを自ら判断する必要があります。
ちなみに、私は以前BtoBの商材を扱う企業でWEBマーケティングを担当していましたが、リスティング広告はYahoo!:Google=3:7の比率で出稿していました。ITに関連する企業向けの商材だったことから、利用者層の点でGoogleが適しているのではないか、という経営判断の元での選択でした。かけていた予算が違うことも関係していますが、当時はたしかにGoogleからの流入が多かったので、運用管理の工数を減らし、より費用対効果を高めるために、数ヶ月並行稼働したのち、Googleだけに絞りました。
そのときは、私のなかにもGoogle=ビジネス、Yahoo!=私的利用というイメージがあり、Googleでの出稿を増やすという方針を問題視することもなかったのですが、インターネットの利用方法も変わり、現在ではそのような見解は通用しなくなってきています。当時の記録がなく、比較できないのが残念ですが、当時出稿していたメインのキーワードの検索ボリュームは、現在ではYahoo!の方が大きく、Yahoo!に出稿を続けていれば獲得できた見込み客も数多くいたのではないかと思います。
思い込みだけでターゲットを絞り込んでしまうと、大きな機会損失をしてしまう恐れがあります。いま一度、本当に自社に適しているのはどちらの媒体なのかを比較してみましょう。
さて今回は、Yahoo!とGoogle、どちらのリスティング広告を使用すべきかについてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。どちらのリスティング広告にもメリットともデメリットとも考えられる点があります。リスティング広告にかけられる予算と運用にかかる人件費を考慮したうえで、どちらか一方の媒体でしか広告が出稿できない場合には、さまざまな項目で比較検討し、自社に合っている媒体を選択してください。
また、双方の媒体に出稿することを決めた場合でも同時に広告の掲載を開始すると、運用に手が回りきらず、どちらの広告とも分析をしきれないまま予算を消費することになることが想定されます。まずは、どちらか一方で運用のコツをつかんでから、もう一方の媒体に着手することをおすすめします。
自社の状況に合わせた広告を
- 広告の種類によって管理画面が分かれるYahoo!、管理画面がひとつのGoogle
- 配信先が信頼度が高い法人サイトのみのYahoo!、個人サイトも含め幅広いサイトに配信されるGoogle
- 広告表示オプションが3種類のYahoo!、11種類のGoogle
- PCからのインターネット利用者数が多いYahoo!、スマートフォンからの利用者が多いGoogle
- PC利用率が高い高年齢層が多いYahoo!、スマートフォン所持率が高い若年層が多いGoogle
どちらの媒体にも異なる見込み客が潜んでいます。より多くのニーズを引き出すことができる広告が出稿できるよう、自社の状況に合った媒体を慎重に選びましょう。
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