ゼロから立ち上げるオウンドメディアの作り方マニュアル

SEOを施したコンテンツにより、さまざまなキーワードで上位表示を狙うことが可能なオウンドメディア。「オウンドメディアを立ち上げるためには、まずはサイトの設計を考えたほうが良いのか、商品の訴求方法を考えたほうが良いのか。」というご相談を多くの経営者からいただきます。オウンドメディアの立ち上げにおける最初の課題は「どんなことから手を付けていいのかわからない」ことです。そこで本記事では、オウンドメディアを0から立ち上げる手順を紹介します。オウンドメディアを立ち上げるのは、設定が難しく面倒と感じがちですが、手順さえ把握できればそこまでハードルは高くありません。これからオウンドメディアの立ち上げ準備を始める人は、ぜひ参考にしてみてください。

オウンドメディアを作る手順

実際にオウンドメディアを作るには、以下の3段階があります。

オウンドメディアを作るには、計画・制作・公開という3段階がある

オウンドメディアを作るには、計画・制作・公開という3段階がある

上記の構築プロセスは、どのようなオウンドメディアでも必要な工程です。プロセスごとに詳しく確認しましょう。

計画:競合リサーチ・目的設定

計画の段階では、以下のような業務をおこないます。

  • 目的の設定
  • 競合のリサーチ
  • リソースの確保

目的の設定:オウンドメディアの目的を明確にする

目的の設定では、オウンドメディア運営の目的(KGI・KPI)を決めます。オウンドメディア運営の目的(KGI・KPI)を決めることで、サイトの方向性がブレるのを防ぐことが可能です。

  • KGIとは:最終ゴールとなる目的
  • KPIとは:KGIを達成するためにするべきこと
オウンドメディアを使う際のKGIは「認知度を上げる」「新ユーザーを増やす」「オンライン経由で購入してもらう」などが設定される

オウンドメディアを使う際のKGIは「認知度を上げる」「新ユーザーを増やす」「オンライン経由で購入してもらう」などが設定される

オウンドメディアを使う際に設定されるKGIは、以下のようなものが挙げられます。

  • 商品や企業の認知度を上げる
  • 新しいユーザーを増やす
  • 商品をオンライン経由で購入してもらう
  • 再訪問をしてもらいリピーターを増やす
  • オウンドメディアでマネタイズする

では実際に「商品や企業の認知度を5%上げる」で考えてみましょう。

商品や企業の認知度を5%上げることをKGIとする場合、「ユーザーの声を10件集める」などのKPIが設定される

商品や企業の認知度を5%上げることをKGIとする場合、「ユーザーの声を10件集める」などのKPIが設定される

この場合、KPIIに設定できる内容は以下のとおりです。

  • 商品を使用したユーザーの声を10件集める
  • 企業が社内でしている活動を月に1件発信する
  • 商品を使うと解決できることを月に5件記事にする

上記のようにオウンドメディア運営の目的(KGI・KPI)を決めておくことで、達成までに取り組むべき行動が明確になります。

なお、KPIはKGIを達成するための中間目標として、サイト立ち上げから一定期間ごと(〜半年・〜1年・〜1年半など)に設定することをおすすめします。オウンドメディアは短期間で成果が出るとは限りません。中長期的なスケジュールで計画すると、結果が見えやすくなります。

競合のリサーチ:ライバルを調査して自社サイトのターゲットを決める

自社のオウンドメディアを検索上位に表示させるために、競合サイトをリサーチしましょう。現在検索上位に表示されている競合サイトは、SEOに成功しているメディアです。成功例を分析することで、自社のオウンドメディアのSEOに役立てられます。

まずは、競合サイトがどのような戦略で誰をターゲットにしているか分析し、自社の想定ペルソナを決めましょう。なお、競合サイトをリサーチする際は、検索キーワードが必要です。自社のサービスや商材のジャンルや地域性から、キーワードを考えましょう。

例えば、サプリを扱うメーカーで『ダイエットサプリ』を売り出したいと仮定します。『関連キーワード取得ツール』でメインキーワードとなる『ダイエットサプリ』を入力すると、関連する検索キーワードが一覧で表示されます。

関連キーワード取得ツール

ダイエットサプリの関連キーワードが羅列されている

上記のようにキーワードを検索し、上位記事が同じサイトで埋め尽くされていないかを確認しましょう。同じサイトが関連キーワードで検索上位を独占している場合、競争率が非常に高く上位表示が難しくなります。その場合は、最初から競争の激しいキーワードで検索上位を狙うのではなく、競合の少ない周辺キーワードから記事を作る必要があります。

また、競合サイトがどのようなターゲットを設定しているかを分析し、独自のターゲットを設定しましょう。独自のターゲットを設定することで、競合サイトとの読者獲得競争に巻き込まれるリスクが減ります。

なお、ターゲットを決める際は、できるだけ詳細に設定を作りこみましょう。ターゲットが具体的でないまま記事を書いてしまうと、読者の関心を引けずに離脱されてしまう可能性が高くなります。ターゲットの設定は、以下のように細かく設定しましょう。

  • 年齢:30代
  • 性別:女性
  • 職業:OL
  • 住所:東京都
  • 年収:350万
  • 趣味:週に1回の休日にオリジナルの料理をつくる。
  • 家族構成:一人暮らし

リソースの確保:予算策定やアウトソースの利用を考える

目的と競合分析でサイトの方向性が定まったら、構築に必要なリソース(ナレッジ・人材・予算など)を考えましょう。

オウンドメディアをできるだけ低コストで構築するポイントは、社内にあるリソースとないものを仕分けすることです。社内にあるリソースを最大限に活用し、社内にないリソースは外注の利用を検討しましょう。

なお、外注は大きく分けて3種類あります。

  • BPO(構築から運用までお任せ)
  • 記事の外注
  • 人材(ライターやコンサルタント)の外注

外注方法によって、費用が大きく異なるので注意が必要です。また、内製と外注のメリット・デメリットを比較し、自社のオウンドメディアはどちらの方法が向いているか考えましょう。

 メリットデメリット
内製
  • 長期的にコストを抑えられる
  • 事業を理解した人が制作できる
  • ナレッジがなければオウンドメディアで成果を出せない可能性がある
  • メディア運用でコア業務(事業利益に直結する業務)のリソースが圧迫される
外注
  • 外注の持つ専門知識やノウハウを利用できる
  • メディア運用に人材を割かなくていい
  • 長期的にコストがかさむ

運営のノウハウを持っている人材が社内にいるのであれば、内製がおすすめです。一方で、SEOやオウンドメディアの知識やノウハウがない場合は、外注の利用がおすすめです。

制作:サイトデザイン・記事入稿

制作の段階では、以下の業務をおこないます。

  • 成約ページを作る
  • SEOキーワードを探す
  • サイトを作る
  • 記事の入稿

成約ページを作る

成約ページとは、サービスや商品の購買意欲を高める広告ページのことです。魅力的な成約ページを作れれば、コンバージョン(オウンドメディアの成果)率が上がります。以下の画像は、『株式会社ヴィジョンステイト』のダイエットサプリの成約ページです。

ヴィジョンステイト引用:株式会社ヴィジョンステイト

ヴィジョンステイト初回モニター引用:株式会社ヴィジョンステイト

上記のとおり、成約ページに具体的な数値やお得な情報を入れることで、ヴィジョンステイトは読者の購入意欲を高めています。

読者の購入意欲につながる情報

  • 独自の特徴
  • メリット
  • 価格の安さ
  • 効果の高さ
  • 今買うべき理由

成約ページを作る際は、上記のようなサービス情報を盛り込み、読者の購入意欲を高めましょう。

SEOキーワードを探す

SEOキーワードとは、読者が検索エンジンに入力するキーワードです。検索の結果で上位に表示したいキーワードを探すことで、ペルソナに合った記事を作れます。ここでは、先ほどターゲットを決める際に説明したダイエットサプリで説明します。例えば、上位に表示したいキーワードが「ダイエット サプリ おすすめ」の場合、検索者がもつ悩みや不安を分析します。

おすすめのダイエットサプリを探すユーザーが抱える悩みの例は、以下のとおりです。

  • ダイエットサプリの知識が少なく、効果の高い商品を探している
  • 効率良く自分に合ったダイエットサプリを見つけたい
  • 多くの人が使っている評判の高いダイエットサプリを知りたい

つまり、SEOキーワードを見つけることで読者が求めている情報がわかり、狙ったターゲットに訴求することが可能です。

サイトを作る

サイトを作るためには、以下の項目を用意しなければなりません。

  • サーバー
  • ドメイン
  • プラットフォーム(CMS)
  • サイトのデザイン

オウンドメディアをインターネット上に表示させるためには、サーバーを用意する必要があります。サーバーには内製とレンタルがあり、初期コストを低く抑えてオウンドメディアを運用したい場合はレンタルがおすすめです。

加えて、ドメイン(インターネット上の住所)の用意も必要です。ドメインは、オウンドメディア名と同じものやメディア内容に似たものを設定すると、SEOに有利に働きます。

また、プラットフォームは『CMS』とも言われています。CMSとは、HTMLやCSSの知識がなくてもWebサイトを簡単に管理したり更新したりできるシステムです。例えば『WordPress(ワードプレス)』や『はてなブログMedia』などがあげられます。

なお、サイトデザインは、CMS上で使えるテーマとして、有料のものや無料のものがインターネット上で数多く提供されています。サイトを訪問した読者が、コンテンツ内容やサイトコンセプトなどが連想できる印象に残りやすいものを採用しましょう。

記事の入稿

記事は、読者のターゲットや選定したSEOキーワードを考えながらつくります。そうすることで、正確に読者が求めている情報を届けられます。その結果、記事を上位に表示させやすくすることが可能です。

公開:リンク設定・サイト拡散

公開の段階では、以下の設定を施します。

  • リンクの設定
  • サイトの拡散

リンクの設定

関連するサイトから被リンクを多くもらうと、SEOの効果があります。また被リンクは、自社オウンドメディアのアクセスルートとなりサイトの表示をしやすくします。被リンクをもらうためには、読者が求める情報を網羅した良質の記事を作りましょう。アクセスや読者が増えることで、検索エンジンの結果を上位に表示させやすくすることが可能です。

サイトの拡散

自社の公式TwitterやFacebookなどのSNSやEメールのメルマガを使い、自社のオウンドメディアを広げましょう。SNSは利用ユーザーが多く、拡散しやすい環境です。さらに自社のオウンドメディアにSNSのボタンを設定することで、拡散をうながすことができます。またEメールを使ってメルマガを発信すると、読者に対してダイレクトに情報を提供することが可能です。その結果、アクセス数をあげたりオウンドメディア経由での売上を伸ばしたりできます。

数値の分析・改善

数値の分析・改善では、以下の業務をおこないます。

  • 効果測定
  • 数値分析
  • 改善施策の実施

効果測定

効果測定では、投稿したコンテンツのSEOが効果を出しているのかを調査します。Googleが無料で提供している分析ツールを用いて、以下の数値を計測しましょう。

ツール名項目意味
Googleアナリティクス検索順位上位にあるほど読者の目に留まりやすく、検索エンジンから評価されている。
Googleサーチコンソールクローラーの巡回頻度巡回頻度が低いと検索エンジンにサイトが表示されにくい
Googleアナリティクス自然検索流入数特定キーワードを検索し、ページにたどり着いたユーザー数
PV(ページビュー)数対象のページが何回見られているか
CV(コンバージョン)率サイトの最終的な目標に達している数
被リンク他サイトに自サイトのページがリンクされている
直帰率1ページ目のみ見てサイトを離れた割合
離脱率各ページの離脱(サイトを離れる)割合(直帰率は離脱率の一部)
滞在時間訪問者がサイトやページに滞在した時間

数値計測は継続が重要です。上記の項目は、オウンドメディアを立ち上げてから毎月(あるいは毎週ペースで)測定しましょう。なお、立ち上げてすぐは、自然検索による流入が見込めません。数値計測はオウンドメディア立ち上げ時から続け、数値分析はある程度の期間運用を続けてから始めましょう。

数値分析

測定した数値を分析して、KGI・KPIを達成できているかどうか確認しましょう。KGI・KPIが達成できていない場合は、なぜ数値が伸びなかったのか仮説を立てることが重要です。

例えば、立ち上げから1年間のKPIに「記事を120本投稿する」と設定していたとします。年間120本に到達するためには、毎月10本のペースであれば達成できます。しかし毎月10本未満の投稿数になっている場合、KPIは達成できません。その場合、以下のような理由が考えられます。

  • 人材が足りていない
  • 記事制作の効率が低い
  • 制作に時間がかかりすぎている

数値分析のポイントは、考えうる課題を詳細にすべて書き出すことです。上記のように課題を明確にすることで、改善策の考案が容易になります。

改善施策の実施

数値分析の結果、オウンドメディアに課題が見つかった場合、改善施策の実行が必要です。

改善施策の例

  • 既存記事のリライト
  • 新規記事の追加
  • ページ表示速度の改善
  • 構造化マークアップ
  • 業務フローの見直し
  • 人材採用

例えば、検索順位が伸び悩んでいるページは、ユーザーの知りたい情報とズレた内容になっている場合があります。その場合、リライトによって記事にユーザーニーズを反映することで、検索順位を上げられる可能性があります。

なお、改善点1つに対して施策1つで効果が出るとは限りません。改善できる点は網羅的に施策をおこなう必要があります。また、改善効果が出るタイミングは、施策の種類によって異なります。すぐに改善効果が現れなくても、焦らず計測と施策を継続し続けることが重要です。

オウンドメディア立ち上げにかかる費用

オウンドメディアを立ち上げるためには、サーバー代やドメイン作成のために様々な費用が必要です。長期的な運用を継続していくためには、コストを抑えることも重要です。しかし質の高いオウンドメディア運用をおこなうためには、大きな費用が発生してしまう場合もあります。自社でオウンドメディアを立ち上げるためには、どのくらいの費用が必要なのか下記の表にまとめました。

サーバー代年間10,000〜50,000円程度
ドメイン年間1円〜
WPテーマ15,000円程度
ライティング1本あたり15,000円前後(自社作成なら無料)
分析無料

サーバーのプランや使用するドメインによっては、年間の料金が数万円以上変動します。

なおWordPressテーマは無料で提供されているものもありますが、高品質のコンテンツを作成するならば有料テーマの使用がおすすめです。コンテンツを見やすくすることで、より多くの読者から読まれる記事になります。コンテンツ作成は外部発注も可能ですが、費用を抑えたい人は自社制作も可能です。

また分析面をSEOのプロに発注すれば、費用が発生してしまいます。しかし、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなど無料のアクセス分析ツールを使用すると、その分の費用を抑えられます。

オウンドメディア立ち上げに役立つCMSや効果測定ツール

オウンドメディア運用をしていくうえで、コンテンツの質を向上させていくことは重要です。コンテンツの質を向上させつつ、CMSやSEOツールなどを利用することでオウンドメディア運用で成果が出やすくなります。オウンドメディア立ち上げに役立つツールは、以下のようなものがあります。

オウンドメディア立ち上げに役立つツール

  • オウンドメディア構築ツール
  • オウンドメディアSEO施策ツール

オウンドメディアの土台はオウンドメディア構築ツール(CMS)

オウンドメディアの土台となるオウンドメディア構築ツールは、『CMS』と呼ばれます。CMSは、コンテンツ・マネジメント・システムの略です。

CMSを利用することで、オウンドメディアの「コンテンツ(記事)」のアップロードや、管理が可能です。

WordPress

WordPress画像引用:WordPress

WordPressは最も有名なCMSです。CMSとしては、世界の43%のWebページでWordPressが使用されています。有名企業を含め世界中の数多くのユーザーからシェアされているCMSです。

導入の敷居の低さ、使いやすさ、豊富なデザインなどさまざまな点でバランスのよさが評価されています。CMS選びに悩んでいる人は、WordPressの使用がおすすめです。

Movable Type

Movable Type画像引用:Movable Type

Movable Typeは、WordPressと違い有償のライセンス制です。オプションによっても料金が変動します。

利用できるデザインやプラグイン数はWordPressよりも少ないため、カスタマイズの自由度が低くなってしまいます。しかし、Movable Typeの提供元であるSix Apart社公認のプラグインのみ採用されているため、高品質なものを利用可能です。

オウンドメディアのSEO施策ツール

SEO施策ツールを利用することで、コンテンツのアクセス数、滞在時間、直帰率を確認できます。SEO施策によって、コンテンツが上位表示されやすくなり多くのユーザーが訪れるようなオウンドメディア運用が可能です。必ず自社のオウンドメディアの分析をしておきましょう。

Googleアナリティクス

Google アナリティクス引用:Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、Googleが提供している無料のアクセス解析ツールです。Googleアナリティクスを使用すると、オウンドメディアのアクセスを調べられます。また、コンテンツへの流入経路、アクセスした読者の国、さまざまなアクセス情報を確認できる点もGoogleアナリティクスの特徴です。

Google Search Console(グーグルサーチコンソール)

Google Search Console引用:Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールも、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。Googleアナリティクスとの違いは、サイト訪問前のアクセス解析をおこなえる点です。サイト訪問前のデータとは、各キーワードの「検索順位」や「検索画面での表示回数・クリック率」を指します。それ以外にも内部リンクや外部リンクの状態も確認できます。

オウンドメディアを立ち上げて自社ブランドの知名度をあげよう

オウンドメディアの立ち上げは、手順を間違わなければ効率的に成果を得ることができます。立ち上げる前は難しいと感じてしまうことが多いですが、実際に手を動かしてみると必要な作業はそこまで多くありません。まずは、自社の商品やサービスの競合となるサイトをチェックすることから始めることをおすすめします。

               

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