オウンドメディアの効果測定を適切に行うために、KPIだけでなくKGIを設定する必要があります。オウンドメディアのKGIを設定することで、オウンドメディアの運営目的に沿ったKPIを設定することができます。
目次
オウンドメディアではKPIだけでなくKGIも決める
オウンドメディアの運営を始めるのであれば、KPIだけでなくKGIを設定する必要があります。
KGIとはプロジェクトの最終的な目標
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、プロジェクトの最終的な目標です。日本語の場合は「重要目標評価指標」と略されます。
KGIは、業務ごとではなく企業全体を通して戦略的な目標を設定します。例えば、オウンドメディアからの年間売上が300万円の場合、KGIは「ECサイトの売上を10%上げる」と設定できます。その結果、企業はオウンドメディアの運営について今後どのような方向性を目指すのかがはっきりします。では、KPIとKGIの関係性はどうなっているのでしょうか。
KPIを決めるためにはKGIが必要
KPIを設定するには明確なKGIが必要になります。KPIは、KGIから必要な業務を細かく洗い出してから決めます。例えば、KGIを「オウンドメディアの売上を20%上げる」と設定した場合。KPIを設定するためには、オウンドメディアの売上を20%上げるための業務を洗い出す必要があります。そのため、KPIは
- 検索での流入を15%上げる
- 1ヵ月のCVを5件増やす
- 商品1件あたりの単価を見直す
- 新規ユーザーを5%増やす
など、オウンドメディアの売上が向上することにつながる業務を洗い出して設定します。
つまり、KGIを正しく設定しなければKPIを設定することができません。KPIを決める前に、まずはプロジェクトの最終的な目的であるKGIから設定しましょう。
オウンドメディアにおけるKGIとKPIの設定事例
リーガルモール:お問い合わせが1ヶ月で3,800件を達成
引用:リーガルモール
弁護士法人ベリーベスト法律事務所が運営するオウンドメディア「リーガルモール」は、広告費を使わずに1ヵ月で3,800件以上のお問い合わせを獲得しました。リーガルモールは、より多くの方に法律事務所の存在を知ってもらうこと目的にオウンドメディアを立ち上げました。Web経由で正しい情報を無料で提供することで問題の解決を目指し、悩みをもつユーザーを集めています。
LISKUL:新規リードを獲得
引用:LISKUL
ソウルドアウト株式会社が運営するオウンドメディア「LISKUL」は、月間問い合わせ数3件の状態から月間200件の問い合わせ件数まで飛躍させました。リスティング広告を運用している企業が集めた情報を公開して、新しいリードを獲得しています。LISKULは、中小企業に対してWebマーケティングに悩んでいるユーザーを集めることで、新規リードを獲得しました。
メルカン:採用ブランディングで社員が増加
引用:メルカン
株式会社メルカリが運用するオウンドメディア「メルカン」は、人材の採用や社内向けのブランディングを配信することで社員数の増加を図りました。
「mercari」自体は若年層に知名度があり、就職する前に必ず株式会社メルカリがどのようなところか調べるはずという考えのもとメディア構築にいたりました。
2018年11月時点で月間アクセスユーザーは33,794ユーザー(Similar Webにて計測)ではありますが、どのコンテンツもメルカリで働くことに興味があるユーザーが求める内容です。
自社への興味を持ってもらうために、社内にどんな人がいるかを配信しています。その結果、入社後のイメージが具体的に想像しやすくなり、社員を一気に増やすことに成功しました。
Red Bull:製品のイメージを高めるブランディング
引用:Red Bull
レッドブル・ジャパン株式会社が運営するオウンドメディア「Red Bull」は、自社の製品であるエナジードリンク「Red Bull」から連想される内容を配信し、ブランドのイメージアップや商品の認知度を高めています。
2018年11月の月間訪問ユーザー数は11,820,392で、スポーツ系メディアでは世界一のアクセス数を誇ります。(Similar Webにて計測)。
Red Bullには「翼をさずける」というキャッチフレーズがあり、それにともなう活動的な内容を配信することでブランディングをしています。
ライスフォース:口コミをまとめて購入者を増やす
引用:ライスフォース
株式会社アイムが運営するECサイト「ライスフォース」は、購入者の口コミを集めてサイトで配信することで、購入者を増やしています。購入者の口コミは、新規ユーザーが抱いている疑問に対して共感が得やすく不安を取り除きやすいです。
オウンドメディアにおけるKGIとKPIの設定方法
ここでは、オウンドメディアを立ち上げる目的として1番多い「お問い合わせの獲得」を例にKPIを設定する方法をご紹介します。
KPIを決める前に、まずはKGIを設定します。KGIは「いつまでに」「何を」「どうする」かを決めることで、設定しやすくなります。例えば、KGIを
- いつまでに:半年後(6ヶ月後)まで
- 何を:自社サービスに対するお問い合わせ
- どうする:10件増やす
と設定します。では次に、このKGIに達成するためにどんな目標が立てられるか考えてみましょう。オウンドメディアから自社サービスのお問い合わせを獲得するためには、
- 検索やSNSからオウンドメディアに誘導する
- オウンドメディア内のLPに誘導する
- LPからお問い合わせに誘導する
という流れが一般的です。今回は、LP経由でのCVRとオウンドメディアからの送客率を共に1%だと想定して計算します。
KGIを達成するために必要となるオウンドメディアへの流入数を計算するには、「目標のお問い合わせ件数×LP経由でのCVR×送客率」で算出することが可能です。ここに数字を当てはめると、「10件×1%×1%=100,000」になります。KGIを達成するには、オウンドメディアへの流入数が6ヶ月で100,000を超える必要があることがわかります。
このような計算をすることで、ざっくりとした目標の設定ができます。それでは、実際にオウンドメディアを運用する上で必要となるKPIを設定してみましょう。
KPIの設定
先ほど算出した計算式を基にKPIツリーを作りましょう。KPIツリーとは、KGIの達成に対して必要な要素を細かく分けてツリー状にしたものを指します。今回は、お問い合わせを獲得することが目的なので、KGIは「お問い合わせ10件」です。KPIは「LPへの送客数を増やす」と「LP上のCVRを増やす」ことになります。なので、
KGI(お問い合わせ10件)を達成するには
- KPI:CVRを1%増やす
- KPI:送客数を2%増やす
となります。ここでKPIを達成するためにさらに細かく分解すると、
1.KPI:CVRを1%増やす場合
- LPを改善
- お問い合わせフォームを改善
することで、目標達成に近づける必要があります。また、
2.KPI:送客数を2%増やす場合
- 「バナーを改善」「ページの導線を見直し」することで、CTR(LPへの誘導率1%)を上げる
- 「サイト構造を最適化」「SNSを使った広告」をして、検索やSNSからの流入数を増やす
ことで、目標となるKGIを達成しやすくなります。
KPIを設定すると自社での業務が明確になる
先ほどのKPIの設定で説明した通り、KGIを達成するまでに必要なKPIを決めることで作業を細かく落とし込むことが可能です。その結果、自社に必要な業務の内容がはっきりします。必要な業務が明確になると、自社がするべき作業や方針がわかりやすくなります。
オウンドメディアの運営を続けていくと、市場やユーザーの関心の変化なども考えられます。しかしKPIを設定することで、市場やユーザーの関心の変化をとらえて運営の方針を修正することが可能です。
オウンドメディア運営には明確なKGIを
オウンドメディアは自社の売上のためだけに運営しても、成果が出にくいです。そこで重要なのがKGIを明確にして、正しいKPIを設定すること。オウンドメディアの運営を進めるのであれば、社内でKPIを報告しながら企業全体が安心して業務に取り組める形を作ることをおすすめします。
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