カスタマージャーニーマップとは、商品やサービスに対する「消費者の行動と心理変化」のプロセスを図に表したものです。
商品やサービスを認知してから、比較・検討を経て購入し、購入後に共有やレビューをするまでを可視化することで消費者への理解が深まり、成約件数を増やすための課題も明らかになります。
目次
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、商品やサービスに対する「消費者の行動と心理変化」のプロセスを図に表したものです。
下記よりカスタマージャーニーマップ作成テンプレートを無料でダウンロードすることが可能です。
カスタマージャーニーマップは、顧客ターゲットのペルソナ像がどのような行動をとり、どのような心理状況なのかを客観的に判断することで作成できます。
カスタマージャーニーマップを作るメリット
カスタマージャーニーマップを作成することによって、設定したペルソナ像が自社のサービスを認知する以前の状況から購買に至るまでの行動プロセスを仮定し、行動ごとの心理状況に応じて最適なマーケティング施策を行うことが可能です。
消費者はどういう人で、どんな課題を抱えていて、どういう心理変化によって購入に至るのかを整理することで、迷わずに進むことができます。
反対に、カスタマージャーニーマップを作成しない商品やサービスは、その時々の担当者の主観で、道を逸れていく可能性があります。
また、カスタマージャーニーをチームで共有することで、チーム内に認識のズレが発生することを防ぐこともできます。
カスタマージャーニーマップを作る3つのステップ
カスタマージャーニーマップはペルソナとペルソナの行動・心理を設定する3つのステップで作成できます。
ペルソナを設定する
カスタマージャーニーマップを作成する前に、まず初めにペルソナの設定を行います。
ペルソナとは、ターゲットを「ある特定の人物」が想像できるレベルまで落とし込んだ架空の人物像を指します。ペルソナ設定のポイントは、性別や年代、ライフスタイルなど、人物の日常生活が想像できるレベルまで細かに設定することです。
例えば、「育毛剤」を対象に、次のようにペルソナを設定することができます。
- 性別:男性
- 年代:38歳(妻・子供1人)
- 職業:会社員(営業)
- 住居エリア:愛知県名古屋市
- ライフスタイル:平日は7時ごろには帰宅しており、残業は少ない。フットサルが趣味で休日は運動を積極的に行っている。
- 利用するアプリ / 閲覧するサイト:Facebook、名刺管理アプリ、電車案内アプリ、Yahoo!ニュース
- 抱えている悩み / きっかけ:最近薄毛に悩んでいる。朝起きた時、枕に落ちている髪の毛が増えた気がする。
- 解決しなかった理由:今までは特に気にしていなかったが、同僚を見て気にするようになった。
設定したペルソナは、1枚の資料にまとめてチーム全体で共有しやすいようにします。
BtoB商材とBtoC商材、実際の商品・サービスによって掘り下げる部分は変わってきます。しかし、どの商品・サービスにおいても「特定のある人物」が想像できるところまで設定することを忘れないでください。
ぼんやりとしたペルソナ設定では、次のペルソナの行動・心理を設定するステップでつまづいてしまいます。
ペルソナの行動を設計する
ペルソナの設定ができると、次はそのペルソナがどういうプロセスで商品の購入にいたるのかを設計していきます。
ペルソナが日々の生活のなかで、どのように商品に触れ、どういう行動をするのかを、時系列で表します。
時系列は、大まかに「注意」「関心・興味」「検索」「購買」「情報共有」の5つのフェーズで考えると設計しやすいです。
先ほどの育毛剤を例にすると、各フェーズでペルソナ像が取る行動は次のように設計できます。
- 注意:朝起きた時に、枕に落ちた髪の毛が気になるようになった。
- 関心・興味:ネットサーフィンの最中に出てきた育毛剤の広告を目にし、広告をタップする。
- 検索:広告の育毛剤の評判や、他の育毛剤について調べる。
- 購買:評判や値段を見比べた上で商品を決定し、購入する。
- 情報共有:同じ悩みを持つ友人にメッセージアプリで商品を勧める。
ペルソナの心理を設計する
「注意」「関心・興味」「検索」「購買」「情報共有」の各フェーズで、ペルソナはどのように思っているのか、また、どういう心理変化で次のフェーズへと移るのかを設計します。
育毛剤を例にすると、「検索」のフェーズで育毛剤について調べて「購入」のフェーズに移るには、次のような心理変化が考えられます。
- 他の商品に比べて1つあたりの値段が安いと感じた
- 返金制度があって安心
- レビューが多くて、育毛剤として効果が高そうだと感じた
最初に設定したペルソナが細かいほど、フェーズを移るペルソナの心理変化も詳細に設計することができます。
心理の設計が難しく感じる場合は、クライアントや設定したペルソナに近い人に意見を聞くと、より現実的な設計が可能です。
カスタマージャーニーマップを活用する
カスタマージャーニーマップは作っただけでは、効果は発揮しません。キャンペーンの企画やプロモーション方法を決める会議など、マーケティングのあらゆる場面でカスタマージャーニーマップを利用することで、効果を発揮します。
例えば、育毛剤の販売において、「既存顧客のリピート率は予想の範囲内だが、新規顧客が少ないため、販売数が伸び悩んでいる」という課題があったとします。
カスタマージャーニーマップに照らし合わせて、消費者の行動と心理変化を再考したところ、「ユーザーが育毛剤を購入した後に、恥ずかしさから周りの人に勧めないのでは?そのため、口コミによる新規顧客の増加ができていない」という仮説を立てることができます。
そして、仮説に基づいて「周りの人に勧めて貰う特典」を用意するか、情報共有段階での行動を見直すといった対応策をとることができます。
このように、
- ネット広告はリターゲティング広告にすべきか?
- 商品PRサイトの出来はどうか?
- 特典はユーザーにとって魅力的なのかどうか?
といった、マーケティングのあらゆる場面において、最適解を探し出すために、カスタマージャーニーマップを活用することができます。
カスタマージャーニーマップ事例
育毛剤を例にカスタマージャーニーマップの作成をご説明しましたが、百貨店利用におけるカスタマージャーニーマップの事例をご紹介します。
(引用:カスタマージャーニーマップについての簡単なまとめ|U-Site)
この事例では、各フェーズにおける消費者とのタッチポイントも設計しています。タッチポイントを設計することで、課題の解消に向けたより具体的な対応策が考えられます。
例えば来店後(購入)フェーズにおける、「あとで買おうと思っていたが購入を忘れてしまうケースがある」という課題に対して、タッチポイントをECサイトとするのかダイレクトメールにするのかでは、対応策が変わってきます。
タッチポイントがECサイトである場合、サイト設計を見直し、購入履歴からのレコメンドを行うという対応策を取ることができます。
時間短縮に役立つ!カスタマージャーニーマップ作成ツール
5つのステップを踏めば誰でもカスタマージャーニーマップを作ることができますが、より簡単に・短時間でカスタマージャーニーマップを作るためにツールを活用するという方法があります。
ExperienceFellow
引用:RESEARCH CUSTOMER EXPERIENCE|ExperienceFellow
カスタマージャーニーマップをほぼ自動で作れる、有料ツールです。リアルタイムで本物のユーザー行動を追跡できる点が特徴です。被験者が物・サービスを購入するまでに取った行動をアプリを通じて都度、登録します。登録されたリアルタイムの行動を依頼者側(ツールの利用者)が確認できるという少し変わったツールになります。
カスタマージャーニーマップは、基本的に想像・想定で作成していきます。しかし、ツールを使えば、根拠のあるカスタマージャーニーマップを作成することができます。
カスタマージャーニーマップで消費者の行動と心理変化からズレない
カスタマージャーニーマップを作ることで、消費者の行動と心理変化が可視化されます。
可視化の結果、どのようなプロセスを経て購入に至るのか、想定したプロセスに問題はないかを、より緻密に議論することができます。また、見つかったプロセス上の課題に対して、早急に対応することもできます。
ステップを踏めば、カスタマージャーニーマップは誰でも作成することができます。初めのうちはペルソナ設定に苦労する人もいるでしょう。その場合は、ペルソナ設定シートに重点を置いたフレームワークなどを活用することがおすすめです。
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