マイクロコピーとは、ユーザーの行動を促す短い文言を意味します。マイクロコピーは、ボタン上・周辺の文章、問い合わせフォームなどで用いられ、CVRに大きな影響を及ぼします。
クリックさせたいボタンの周辺にたった1文を追記するだけでCVRを大きく向上させる事例が多々報告されています。
目次
マイクロコピーとは
マイクロコピーとは、ユーザーの行動を促す僅かな文言を意味します。マイクロコピーの特徴はライターの能力に依存することなく、アクセス解析に基づいたコピーを用いることです。元HubspotのUXデザイナーであるジョシュア・ポーター(Joshua Porter)が提唱した概念です。
マイクロコピーとUXライティングの違いは、文章や記号などの具体的な数文字のライティングか、ユーザー体験全体を意識したライティングかの違いです。UXライティングの一部をマイクロコピーが担っているという関係でもあります。
マイクロコピーは数字で把握できる要素のみの文章である一方、数字では測れないユーザー体験(感情など)を考慮したものがUXライティングです。
マイクロコピーはデータに基づいたものなので、能力やスキルは必要ありませんが、アクセス解析を用いた分析力が必要です。
コピーライターのほとんどはセンスやスキルに頼っていました。しかし、実際にA/Bテストで計測してみると、センスやスキル自体が間違っているケースがほとんど。
想像力豊かな美しいコピーの反応が良くないことが、データ解析で明らかになってきました。
マイクロコピーの導入事例
マイクロコピーは海外から日本にサービスを展開している企業を中心に、日本の企業でもマイクロコピーの活用が目立つようになってきました。
Netflix新規登録ページの事例
Netflix (ネットフリックス) 日本 – 大好きな映画やドラマを楽しもう!
Airbnbの事例
Illustrator購入ページの事例
Uber Eatsの事例
お気に入りのレストランの料理をすぐにお届け | Uber Eats をダウンロード
フォームの入力欄にユーザーが取る行動を入力することで離脱率を下げることに貢献しています。
CVRを高めるマイクロコピーを作成する方法
ボタン周辺はスクロールが止まり、よく読まれる場所です。ユーザーが意思決定を行う場所でもあるので、わずかな改善がCVRに大きな影響を与えます。
ボタン周辺のマイクロコピーは、配置する場所によって作成方法が異なります。
ボタン上のマイクロコピーを作成する方法
ボタン上のマイクロコピーを作成するには、ボタンクリック時に生じる心理的ハードルを下げることを意識したコピーを作成しましょう。
ボタン上のマイクロコピー例
- モンドセレクション金賞受賞(賞をアピールすることで権威性を出す)
- 観客動員数50,000人(多くの人が参加していることを伝えることによる安心感の提示)
ユーザーは時間、お金、エネルギーの3つをコストとして捉え、ボタンクリックで得られるベネフィットとコストを天秤にかけます。
上記例のように、ボタンクリック前に心理的ハードルの低さをアピールすることで、ハードルの低さをアピールすると効果的です。
ボタン下のマイクロコピーを作成する方法
ボタン下のマイクロコピーを作成する際、リスクが無いことを表現すると効果的です。
ボタンを押さないと決断した人へのアプローチがボタン下のマイクロコピーです。
ボタン下のマイクロコピー例
- Facebookでは公開しません
- まだ請求は発生しません
- あなたのプライバシーは守られます
上記のように、一見当たり前なことでも不安に感じていることをあえて書くことがポイントです。
ボタン内のマイクロコピーを作成する方法
ボタン内のマイクロコピーを作成する方法は、リンク先のヘッドラインとボタン内のコピーを同じにすることです。
ユーザーが間違ったページに来たかもと少しでも思ってしまったらユーザーは離脱してしまします。
現に、リスティングの出稿タイトルとランディングページのヘッドラインが同じではない企業が多く見受けられます。クリックするテキストとヘッドラインが一致しないだけでCVRは大きく低下していると考えられます。
ボタンやリンクテキストがリンク先のヘッドラインと異なる要因として、Web広告運用担当とリンク先ページを作成したコピーライターが分業制なので、対応しにくいということが考えられます。
アクセス解析結果を分析することができれば、コピーライティングのスキルは必要ないので、Web広告運用担当がヘッドラインとリンク元テキストを一致させるよう注意するとよいでしょう。
ユーザーの離脱率を下げるデザインの基本法則
- ボタンの色はユーザーが普段利用し、信頼しているWebサイトの色に合わせる
- スマートフォン、一般的なスマホのUIで多く用いられている一般的なフォーマットに合わせる
- フォントはユーザーが信頼している媒体と同じものにする
- Web上で利用する言葉は普段ユーザーが頻繁に利用している言葉や、ユーザーに強い影響を与えている媒体で用いられている言葉を用いる
- ユーザーが最も使っている言葉を利用する
- 3行以上の文章はブロックを分ける(スマートフォンユーザーが多い場合はスマートフォン画面を確認)
- 3行以上は箇条書きの方がいい
- 箇条書きのものは一言で伝わる文章の方がいい
- 文章より数字を含める方がクリック率が高まる
- 数字より比較表にした方が離脱率が低下する
- 比較表よりグラフにした方がいい
- グラフはアニメーションにする方が見られる
- アニメーションよりリアルな写真の方がいい
- 画像より動画の方が信頼される
上記基本法則をまとめると、ユーザーはWeb上の情報に対して不信感を抱いており、僅かな安心を提示することがCVRを高めることに繋がります。
マイクロコピーについて詳しく書かれている勉強本
マイクロコピーには、コピーライティングのスキルや言葉のセンスは一切必要ありません。
しかし、マイクロコピーを作成するにあたっての基本法則や多数の事例を知ることにより、精度の高いABテストの仮説アイデアを出す事ができます。
Webコピーライティングの新常識ザ・マイクロコピー|山本琢磨著
Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー | 山本 琢磨, 仲野 佑希, 清水 令子 |本 | 通販 | Amazon
デジタルマーケティングの分野内で最も短い施策で大きくCVRを高めることができるのがマイクロコピーだと思っています。
マイクロコピーを用いた施策を行ったクライアントに伝えるときには、「ビッグデータに基づいて作成しています」と伝えておくことで、ライターは高い評価を得られます。
実際の施策は数分で終わるので、施策内容を先に伝えると、CVRが向上した売上に対する対価をもらうことが出来ません。そのせいでこれまで一部のUXデザイナーだけの秘密な情報として扱われていました。
Uber、Netflix、Airbnbなど、マイクロコピーの設定をしていなかったら今のように拡大していなかったと言われています。
マイクロコピーのおかげで、お互いの居住地の情報を公開することができるようになりました。マイクロコピーは住所を教えるという心理的に高いハードルでさえも乗り越える力があるということです。
また、現在多く用いられている「無料」「0円」などのコピーは信頼感が薄く、コンバージョンが低いです。つまり、まだまだ日本はWebマーケティングが遅れているということです。
「Webコピーライティングの新常識ザ・マイクロコピー」を通じてWebマーケティングに携わる方々にデータに基づく検討の重要性を知っていただきたいと思っています。
インタビュイー山本琢磨氏
株式会社オレコン代表。「Webコピーライティングの新常識ザ・マイクロコピー」著者。
企業のデジタルマーケティングの支援を行う。
グループ企業は不動産、広告代理店、物販、人材提供サービスなど。
これまで86業種を超えるクライアントにもたらした売上の伸びは、報告のあったものだけでも174.8億円以上。過去14年間で実施したWEBテストの回数は2000回を超え、その豊富なデータに裏打ちされたノウハウにより、15分の改善で成約率が234%改善、利益ベースで13倍にするなどの実績を持つ。
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