借金の取り立てで会社に電話がかかってくる場合の対処方法

借金問題に適切に対処できていれば、会社に取り立ての電話がかかってくることはありません。ただし、貸主が借主と連絡が取れない場合などは、会社に電話をかける可能性があります

特に督促電話や書状を無視し続けていた場合には、債権者側が合法的に会社へ電話できる要因ともなってしまいます。

この記事では、会社に借金の電話がかかってくる場合の原因3つと、督促電話に困っている場合の相談先を紹介します。

また、電話を受ける会社側へ向けて、借金の督促だと思われる電話が社員にかかってきた場合の対処方法も紹介します。

会社に電話がかかってくるか心配な人や、実際に会社に電話が来て困っている会社の社員の人はぜひ解決策をご覧ください。

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目次

借金を滞納しても通常会社に電話はかかってこない

正当な理由がなく借金の督促のために会社に電話をかけることは、貸金業法によって禁止されています

違反すると懲役や罰金が科されるので、基本的に会社に督促の電話はかかってきません。会社に電話をかける正当な理由を、貸主側に与えないことが大切です。

(取立て行為の規制)
正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。

引用:貸金業法第二十一条三| e-Gov法令検索

次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:貸金業法第四十七条の三 |e-Gov法令検索

会社に借金取り立ての電話がかかってくるケース

貸主側に正当な理由があれば、会社に取り立ての電話がかかってくる場合があります。そのため、貸主に正当な理由を与えないようにしましょう。

正当な理由にあたる可能性の高いものとして、金融庁の事務ガイドラインでは以下の3つのケースがあげられています。

法第21条第1項第1号、第3号及び第9号に規定する「正当な理由」とは、個別の事実関係に即して判断すべきものであるが、例えば、以下のようなものが該当する可能性が高い。

引用:II . 貸金業者の監督に当たっての評価項目|金融庁

1.会社への電話を承諾した場合

会社への電話を自分が許可すると、貸主に正当な理由を与えたことになります。現実には、自分から積極的に「借金の電話を会社にかけても構いません」と承諾をする場面はほぼありません。そのため、このケースは考慮しなくて良いでしょう。

債務者等の自発的な承諾がある場合。

引用:II . 貸金業者の監督に当たっての評価項目|金融庁

2.会社に電話する以外に連絡方法がない場合

貸主が借主と連絡が取れない状況は、借主の会社に電話をかける正当な理由になります。会社に電話をされないためには、自分の携帯電話に連絡がつくようにしておきましょう。

電話や督促状などの連絡を無視し続けていると、会社に電話できる理由を貸主側に与えてしまいます。

債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合。

引用:II . 貸金業者の監督に当たっての評価項目|金融庁

3.会社に電話して連絡先を聞く場合

携帯番号や住所を変更して、貸主側に伝えないまま放置すると、貸主が連絡先を聞くために会社に電話できる正当な理由になります。

連絡先を変えても、借金の取り立てがストップするわけではありません。会社へ電話をかけさせないためにも、きちんと変更した連絡先を知らせておきましょう。

この場合でも会社側が「もう電話してこないように」と相手側に伝えれば、それ以上の電話は貸金業法違反になる可能性が高いと言えます。

債務者等の連絡先が不明な場合に、債務者等の連絡先を確認することを目的として債務者等以外の者に電話連絡をする場合。なお、この場合においても、債務者等以外の者から電話連絡をしないよう求められたにも関わらず、更に電話連絡をすることは「人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」に該当するおそれが大きい。

引用:II . 貸金業者の監督に当たっての評価項目|金融庁

(取立て行為の規制)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

引用:貸金業法第二十一条 | e-Gov法令検索

会社に借金督促の電話がかかってきた場合の相談先

会社への督促電話を心配しなければならないほど借金を滞納している状態を、まずは改善しましょう。何もしないまま滞納が進むと、滞納先から調停や訴訟を起こされる場合があります。一日でも早く借金問題に取り組み始めてください。

自力での解決が難しい場合は、専門窓口や弁護士に相談するのが第一歩です。仕事や日常生活に支障をきたす前に、以下のような窓口から専門家に相談して早めに対処しましょう。

相談先おすすめな人
法テラス貯金がなく、弁護士費用が払えない人
→条件を満たせば、
弁護士費用を立て替えてもらえる
JCCO
日本クレジット
カウンセリング協会
借金を整理して計画を立てれば、
返済できる見込みがある人
→無料で任意整理(裁判所を通さない債務整理)
が受けられる
日本貸金業協会カードローンで借金を抱えている人
一部を除き無料で利用でき、弁護士が和解案を提示してくれる(ADR)
警察(最後の手段)脅しのような電話など正当性にかける電話がかかってくる場合
脅迫と認められれば刑事事件として処理してくれる

上記の相談先は基本的に無料で相談が可能であり、借金問題解決のための段取りも整えてくれるため一日でも早く会社への電話を止めたいときには非常におすすめです。

しかし、警察への相談は強い脅しが毎日のようにあるなど強迫性が強いとき以外には、動いてもらえない可能性があります。(基本的に民事不介入のため)

そのため、警察への相談は最後の手段として通常は法テラスや日本クレジットカウンセリング協会・日本証券業協会へ相談するのがよいでしょう。

ただ、上記表の相談先は無料で利用できるため、利用者が多くすぐに手続きが進まない場合もあります

そんな時には、自分で弁護士に相談して解決してもらうのがおすすめです。

弁護士へは借金額と滞納内容などから3つの債務整理方法を検討してもらえます。

債務整理方法おすすめな人
任意整理定期収入があり、借金が100万円以下の人
または3年〜5年のうちに借金返済のめどが立つ人
借金の将来利息をカットしてもらえる。基本的に3~5年で分割返済
 裁判所を通さないため早期に解決でき、費用も安い
個人再生定期収入があり、借金額が100万円以上の人
または借金元本を減らせば借金返済のめどが立つ人
→裁判所を通して借金の元本を最大1/10まで減らせる
 減らした借金は3~5年で返済。車や家を残せる
 ただし、裁判所を通すため時間がかかり、費用も高め
自己破産定期収入なし、無職の人
または借金の元本を減らしても返済目途が立たない人
→裁判所を通して借金額の全額をなくせる
 ただし、家や車などの財産はのこせない。任意整理よりも費用が高い
 ギャンブル借金などは自己破産の対象外。

個人再生や自己破産は借金額を大幅に減らせますが、裁判所での手続きが必要で時間もかかり弁護士への費用も高くなります

できるだけ、問題が軽微なうちに任意整理を依頼して会社への電話督促をとめ、弁護士費用も安く抑えるのがよい方法といえるでしょう。

ベリーベスト法律事務所に今すぐ相談

返済に困った場合には
1人で悩まずに早めに身近な人(家族、友人)や、弁護士会、 司法書士会、 国民生活センター、 クレジットカウンセリング協会等に相談しましょう。

引用:借りすぎ・多重債務にご注意 : 金融庁

公的機関へ相談を

自分と連絡が取れないなどの正当な理由がないのに、会社に借金の支払いを求める電話がかかってきたら、ショックを受け悩むのは自然なことです。会社での立場や体裁も悪くなる可能性も考えると、ますます心配が募るでしょう。

しかしパニックになっての欠勤や会社にうそをつくなどの行動は避け、トラブルを最小限に抑えながら冷静に対処することが重要です。落ち着いて法テラスなどに相談し、適切な解決策を見つけましょう。

弁護士に依頼して借金を整理しても会社にはばれない

借金の問題を解決するには、弁護士に相談するのが近道です。弁護士に依頼して任意整理や自己破産をしても、会社から借金をしていない限りばれることはありません。借金を解決する法的な手続きをしても会社に知られることはないので、安心して相談してください。

破産のデメリットについてよくある誤解 
Q:会社に知られて、クビになるのでは?
A:大丈夫です。会社に知られることはありませんし、万が一知られたとしても、会社は破産を理由に、解雇することはできません。

引用:神坪浩喜,2021『借金問題解決法 99.9%解決できる!』みらいパブリッシング,p.104,p.105

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自社の社員宛に借金関連と思われる電話がくるときの対処法

社員宛に金融関連と思われる不審な電話がかかってきたとき、会社側はどのような対応をすればよいか説明します。

金融機関からの在籍確認なら一度回答するだけで完了

社員が銀行などのカードローンを申し込むと、その社員宛に個人名で在籍確認の電話がかかってくることがあります。会社に本当に在籍しているかを確認するだけなので、本人に取り次ぐか、不在の場合は伝言するだけの対応で問題ありません。

一度回答すれば在籍確認は終了し、それ以上はかかってきません。会社としては、電話の内容や理由について深く気にする必要はないでしょう。

借金の取立てなら個人間のやりとりを促す

個人名でかかってくる電話のうち、一日に複数回、また何日にも渡ってかかってくる場合は注意が必要です。借金の督促電話の可能性があります。

会社に無関係な電話が頻繁にあるのは業務の妨げになり、電話を受ける社員の負担にもなります。上司や管理者は、電話がかかってきている社員に自分の携帯で連絡を取るように促すと良いでしょう。

相手側にも、会社の電話ではなく個人間でやり取りするように要求します。貸金業法第二十一条によって業務の支障をきたすような取り立て行為は規制されているので、はっきりと電話を断ることが重要です。

電話が止まないなら公的機関への相談を勧める

会社に電話をしないよう断ってもまた別の人間から電話がかかってくるなど、特定の社員への督促の電話が止まらないケースがあります。社員自身から相談がある、または状況から判断して必要な場合は、本人から事情を聞きましょう。

会社に頻繁に借金の電話がくる状況は深刻な多重債務などの可能性があり、一人で解決するのが難しい状態かもしれません。法テラスや弁護士会など公的な専門機関へ相談をすれば解決策はあると伝えて、悩みを抱え込まず専門家へ相談するように促してください。

借金滞納で会社に電話がかかってきても冷静な対応を

借金をしている相手先としっかり連絡を取っていれば、通常会社に電話はかかってきません。万一かかってきたとしても、悪質な取立ては法律で禁止されているので、焦らず落ち着いて対処してください。

返済に困るほどの借金問題は、先延ばしにしても解決しません。会社での立場を守って生活を維持していくためにも、専門機関に連絡をいれて問題解決に向けての一歩を踏み出しましょう。

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