おまとめローンは、複数の借金をまとめられる便利なサービス。
返済の負担を軽くできるうえ、契約しただけでは信用情報に傷が入らないことがメリットです。
しかし、返済でトラブルが発生すると信用情報に響くことがあり、返済方法によっては、返済総額が膨らむなどのデメリットもあります。
一方、借金の整理方法には「任意整理」というものがあり、借入状況や自分の現状によっては、任意整理のほうが有効な場合もあります。自分に適した整理方法を見つけるためにも、まずはそれぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
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おまとめローンを契約するだけなら信用情報には載らない
おまとめローンは、あくまでもローンの一種のため、契約したからといって信用情報に傷は入りません。
信用情報とは、自分の金融取引に関する情報のことで、JICC・CIC・KSCなどの信用情報機関に登録されています。
信用情報機関 | 主な所属金融機関 | 掲載される信用情報 |
---|---|---|
JICC | アイシン アイフル(株) アコム(株) (株)三菱UFJ銀行 楽天銀行(株) など | 契約情報・契約日 取引形態・残高金額 利用金額・異動情報 |
CIC | アイフル(株) アコム(株) (株)エポスカード オリックス・クレジット(株) など | 契約内容・契約の年月日 契約額・残高 返済の状況 など |
KSC | 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 セブン銀行 SBI新生銀行 野村信託銀行 など | 取引種類・限度額 残債額 消費性/事業性・成約日 など |
信用情報に傷が入ると、ローンやクレジットカードなどの新規契約が難しくなり、今後の借入がスムーズにいかなくなります。おまとめローンの契約だけで信用情報に傷が入ることはありませんが、契約後は適切に返済しないと傷が入る恐れがあるため注意しましょう。
おまとめローンは信用情報に傷があると審査に通りにくい
おまとめローンを新規で申し込む場合、信用情報に傷があると審査に通りにくい点に注意が必要です。ローンの一種であるため、利用する際には金融機関による審査が実施されます。
信用情報の「傷」とは、以下のような状態のことです。
- 遅延や滞納の履歴がある
- 債務整理の履歴がある
- 自己破産の履歴がある
信用情報には「異動」と記載されている場合があります。異動とは、上記のような、金融取引で信用を損なうような行動の情報のことです。
異動情報が記載された状態を業界用語では、「ブラックリスト入り」または「信用ブラック」と呼びます。
なお、情報の掲載方法は、信用情報機関によって異なります。たとえばKSCでは、異動ではなく「返済区分・遅延解消日・完了区分」という項目で、延滞や債務整理などの履歴がそのまま表示されます。
延滞・強制解約・債務整理のうちひとつ記載があれば信用情報がブラックの状態
金融業界では「延滞・強制解約・債務整理」のうち、ひとつでも記載があれば、ブラックの状態と認識されます。
ブラック入りと認識されるもの | 補足事項 |
---|---|
延滞 | 期日までに指定された金額を返済していない状態。 2~3ヶ月以上の延滞が発生すると、信用情報に登録される。 |
強制解約 | 延滞や規約違反をした際、クレジット会社から強制的にカードを解約されること。 事実が発生した時点で、信用情報に登録される。 |
債務整理 | 任意整理・特定調停・個人再生・自己破産など、借金の減免手続きを申し込むこと。 登録期間は、選択する手法や信用情報機関によって異なる。 |
おまとめローンの審査においても信用情報は重視されるため、信用ブラックになると審査が通りにくくなります。審査に通る確率を少しでも上げるには、日頃からブラック入りするような行動をしないことが大切です。
JICC・CIC・KSCはそれぞれ情報を共有している
信用情報機関は、全国信用情報センター連合会(以下、「情報センター」という)と連携し、CRIN(Credit Information Network)というネットワークを構築しています。JICC・CIC・KSCはそれぞれ情報を共有しているため、一つの消費者金融でブラック入りしてしまうと、ほかの金融機関の審査も通りにくくなります。
情報センターには、個人情報と取引に関する情報が登録されており、項目ごとに基本的な登録期間が定められています。たとえば、延滞(解消の場合)は発生日から1年を超えない期間、債務整理は発生日から5年を超えない期間です。
銀行以外のおまとめローンは審査通過しやすい傾向
銀行のおまとめローンは金利が低い分、審査は厳しい傾向です。
金利が低いと元金の回収に時間がかかり、貸し倒れのリスクが高まることが主な理由と考えられます。
なお、審査基準を公開している金融機関はありません。しかし、銀行と消費者金融のおまとめローンでは、申込条件から以下のような違いが見受けられます。
サービス名 | 東京スター銀行 (スターワン乗り換えローン) |
金利 | 9.8%・12.5%・14.6% (固定金利) |
申込条件 | 申込時の年齢が20歳以上65歳未満 前年度の税込年収が200万円以上 給与所得者で正社員・契約社員・派遣社員に該当する人 過去6ヶ月以内に東京スター銀行が提供するローン審査で否決されていない人 現在の勤務先の収入が確認できる書類を提出できる人 過去に債務整理・自己破産をしていない人 現在利用しているローンを延滞していない人 借入申込の金額が、30万円~1000万円以下の人 |
サービス名 | 東京スター銀行 (スターワン乗り換えローン) | アイフル 「おまとめMAX」 |
金利 | 9.8%・12.5%・14.6% (固定金利) | 3.0~17.5% |
申込条件 | 申込時の年齢が20歳以上65歳未満 前年度の税込年収が200万円以上 給与所得者で正社員・契約社員・派遣社員に該当する人 過去6ヶ月以内に東京スター銀行が提供するローン審査で否決されていない人 現在の勤務先の収入が確認できる書類を提出できる人 過去に債務整理・自己破産をしていない人 現在利用しているローンを延滞していない人 借入申込の金額が、30万円~1000万円以下の人 | 満20歳以上で定期的な収入と返済能力がある人 |
参照:おまとめMAX・かりかえMAX|アイフル
上記はあくまでも一例ですが、銀行おまとめローンのほうが申込条件から厳格になっており、利用のハードルが高いことがわかります。
審査に不安がある人は、消費者金融のおまとめローンの利用を検討してみましょう。
おまとめローン契約前に信用情報を開示する方法
信用情報は、インターネットまたは郵送などを利用して開示を請求できます。申込者や開示方法によって詳細は異なりますが、本人が申し込むときは大まかに以下の手順で進めます。
- アプリのダウンロードまたは、公式サイトへアクセス
- 本人の認証と本人情報の入力
- 手数料の支払い
- 開示結果の受け取り
- 公式サイトなどから申込書をダウンロード
- 申込書と本人確認書類などの必要書類を信用情報機関へ郵送
- コンビニなどで郵送開示利用券を購入
- 信用情報機関で開示手続き
- 郵送にて開示結果の受け取り
信用情報の開示には、手数料がかかります。それぞれの手数料は、以下のとおりです。
信用情報機関 | 手数料 |
---|---|
JICC | 1000円 ※郵送による開示には別途郵送料が発生 |
CIC | インターネット:500円 郵送:1500円 |
KSC | インターネット:1000円 郵送:1124円~1200円 |
すぐに信用情報を知りたいときは、インターネットを利用するのがおすすめです。スムーズに手続きが進めば、数十分~数時間で開示結果を受け取れます。
おまとめローンにはデメリットも!任意整理との違いは?
おまとめローンは返済先をまとめられる便利なサービスですが、返済方法によっては、返済額が膨らむ、追加の借入ができないなどのデメリットもあります。
「支払総額が増えるのに抵抗がある…」というときは、「任意整理」を活用するのも選択肢のひとつです。おまとめローンの契約を検討する際は、おまとめローンと任意整理のメリット・デメリットを比較し、自分に合ったほうを選びましょう。
おまとめローンは信用情報に傷はつかないが返済総額が増えるリスクあり
メリット
- 信用情報に傷が入らない
- 返済総額を減らせ、
毎月の返済負担も軽減できる - 信用情報も整理できる
- 金利を下げられる可能性がある
デメリット
- 返済方法によって返済総額が膨らむ
- 使用目的が限られ、追加の借入もできない
- 審査にとおらないと利用できない
おまとめローンは、信用情報に傷を入れずに、返済の負担を減らせるのがメリットです。
金利を下げられる可能性もあることから、無理のない返済計画が立てられ、ローンやクレジットカードの新規契約に影響を与えにくいでしょう。また、信用情報も整理できるため、多重債務者と認識されにくくなります。
一方で返済方法によっては、返済総額が膨らむのがデメリットです。返済の負担を減らせるとはいえ、月々の返済金額が少額すぎると利息がかさんでしまい、最終的に支払う額が増えてしまいます。余分な支払いをしないためには、無理のない範囲で可能な限り返済をおこなうことがポイントです。
なお、おまとめローンは、使用用途が借入の返済に限られており、借金を減らすことが目的であることから、追加での借り入れもできません。(※消費者金融のおまとめローンの場合)
利用がおすすめな人
- 多重債務となっており、
返済の負担を減らしたい人 - 上限金利が適用されており、金利を下げたい人
- 返済時の労力を減らしたい人
おすすめできない人
- おまとめローンを利用しても、
返済できる目処が立たない人 - 信用情報に傷があり、
審査に通る可能性が低い人 - おまとめをせずとも、十分に返済していける人
任意整理は信用情報に傷はつくが返済総額を下げられる可能性あり
メリット
- 金利を下げられる
- 返済総額を減らせる可能性がある
- 返済の負担を軽減できる
デメリット
- 信用情報に傷が入る
- 信用情報がブラックの期間はローンやクレジットの新規契約が難しい
- 個人で進めるのが困難
- 弁護士に依頼すると弁護士費用が発生する
任意整理は、債権者と交渉し、金利や返済条件の見直しをおこなうものです。主な依頼先は弁護士で、本人に代わって金利の引き下げや返済額の変更を交渉してくれます。
任意整理は、金利の引き下げや返済状況の整理(過払い金など)により、返済総額を減らせる可能性がある点がメリットです。返済総額が減れば、借金を完済しやすくなります。また月々の返済額も交渉してくれるため、返済が困難な場合にもおすすめです。金融機関との交渉によっては、無理のない返済計画が立てられます。
一方で、信用情報に傷が入ることは大きなデメリットです。登録がされた情報が抹消されるまでは、クレジットカードやローンの審査に通るのが難しくなります。なお、個人で任意整理をおこなうのは困難なため、弁護士に依頼するのが一般的です。しかし、弁護士に依頼すると、弁護士費用が発生することに留意しておきましょう。
おすすめな人
- 3~5年ほどで返済できる見込みがある人
- おまとめローンの審査に通らなかった人
- 少しでも早く借金を減らしたい人
- すでに信用情報に傷がある人
おすすめできない人
- 信用情報に傷を入れたくない人
- クレジットカードやローンを新たに契約する可能性がある人
- 十分な返済能力がある人
信用情報に傷があるならおまとめローンより借金を減額できる任意整理がおすすめ
おまとめローンは、複数の金融機関から借入しているときに便利なサービスです。しかし、返済の目処が立たなかったり、少しでも早く借金を減らしたりしたいときは、任意整理のほうが有効な可能性があります。
任意整理は債務整理の一種で、債務整理には「個人再生」や「自己破産」などの手段もあります。たとえば、任意整理でうまく交渉がいかなかった場合は個人再生、どうしても借金の返済が困難な人は自己破産の検討も選択肢です。違った観点からアプローチすることで、苦しい現状を抜け出せる可能性があります。
適した手段は自分が置かれた状況によって異なるため、借入状況に応じて判断しましょう。