オウンドメディアのコンセプトは、企業が抱える課題とユーザーのニーズに通ずる部分から決定します。せっかくオウンドメディアを立ち上げても、コンセプトがずれていたり、コンテンツにブレがあると望む結果に結びつきません。コンセプトの決定は話し合いを重ね、慎重に行ないましょう。

オウンドメディアのコンセプトの具体例

成功しているオウンドメディアには何かしらの明確なコンセプトがあります。コンセプトを明確にすることによってコンテンツが一貫性を持ち、読者を惹きつけるメディアが完成します。成功しているオウンドメディアを3例紹介します。

参考コンテンツマーケティングで参考にすべき30事例と実施戦略【国内オウンドメディア】

通販×メディアで成功した「北欧、暮らしの道具店」

北欧、暮らしの道具店

北欧、暮らしの道具店

通販×オウンドメディアにおける成功事例としてよく挙げられるのが「北欧、暮らしの道具店」です。月間1,500万PV、ユニークユーザー170万人を誇る人気サイトで北欧風の家具や雑貨の記事を中心に、北欧テイストが好きなお客様にライフスタイルを提案しているメディアです。

面白系メディアとしてWeb業界で高い認知度を誇る「LIG」

LIGブログ

LIGブログ

Web業界で高い認知度を誇る面白系のメディアがLIG社が運営する「LIGブログ」です。同社はWeb制作会社ですが、SEOのノウハウやWebサイトの構築方法に関するブログではなく、ユニークなコンテンツを提供することによって月間500万PV以上を獲得しています。

会社のブランディングのための情報を発信する「サイボウズ式」

サイボウズ式

サイボウズ式

一般的にオウンドメディアはPV数などの定量的な指標を追求しますが、あえてPV数を追求せずに、自社が抱える価値観を外部に伝えることを目的に運営されているのが「サイボウズ式」です。

月間PV数は20万程度ですが、Facebookで1万いいね、はてなブックマークで1,500はてブを集めた記事もあり、根強いファンもいます。

オウンドメディアにコンセプトは必要か

オウンドメディアを構築・運営するにあたってもちろんコンセプトは必要です。コンセプトを明確にすることによって、読者にメディアの価値や方向性を伝えることもできます。

また、運営者側にとってもメディアのコンセプトを明確化することは重要です。コンセプトを明確にすることによって、コンテンツ全体の方向性を統一できて、コンテンツ自体のクオリティがアップするだけではなく、チームでメディアを運利している場合でも個人の感性によってブレないメディア運営が可能となります。

オウンドメディアを構築する際は、サイトの設計段階からコンセプトを考えておくべきですし、PVや平均滞在時間などのKPIと共にメディアの軸がぶれていないかも定期的にチェックしておいた方が良いでしょう。

オウンドメディアのコンセプトの定め方

上図の3ステップを踏むことで、オウンドメディアのコンセプトを設定しやすくなる

上図の3ステップを踏むことで、オウンドメディアのコンセプトを設定しやすくなる

オウンドメディアのコンセプトは、「自社の強みを洗い出す」「ユーザーニーズの研究」「コンセプトを決定する」の3つのステップで定められます。

「自社の強みを洗い出す」とはコンバージョンに至らせるための強みを把握すること、「ユーザーニーズの研究」とは強みにマッチしそうな具体的なユーザー像を設定する作業のことを指します。この2つのステップを実施せずにいきなりコンセプトを決定してしまうと、ピントのずれたメディアになるので注意してください。

弊社のコーポレートサイト兼オウンドメディアの「medifund.jp」の事例を元にオウンドメディアのコンセプトの決定方法について紹介します。

自社の強みの洗い出し

自社の強みは、メディアのコンバージョンと関係している

自社の強みは、メディアのコンバージョンと関係している

オウンドメディアのコンセプト決定の最初期段階で実施するのが自社の強みの洗い出しです。自社の強みはメディアのコンバージョンと密接な関係があります。

例えば、medifundの場合、お客様のオウンドメディアの構築、運営代行などがコンバージョンになるので、そこから逆算して自社の強みを洗い出します。オウンドメディア構築や運営を私たちに任せたいというお客様は、おそらくオウンドメディアを構築したいけれども何から手をつけて良いか分からない、オウンドメディアを運営しているけどいまいち結果がでていないはずです。

この「構築の仕方が分からない」「メディアで結果が出せていない」というのがお客様の課題で、それを解決するのが私たちのサービスです。特に私たちはオウンドメディアに関わる企業の中でも通常のWeb制作会社やSEO対策会社とは異なり、戦略フェーズから一貫してサポートできる事に強みを持っています。

このような自社の強みは「コンバージョンから状況を逆算する」「企業の強みと弱みを把握する」「自社の強みを洗い出す」の3つのステップより導きだされます。

コンバージョンから状況を逆算する

自社の強みを洗い出す上で重要なのはコンバージョンから逆算することです。メディアを運営したいと思う企業にはそれぞれ何らかの目標があり、それを達成させるためには自社の何をアピールすれば良いのかを考えます。

例えば、自社は企業向けにオウンドメディアの構築サービスを展開しているので、まずそのサービスを販売する(コンバージョンさせる)ためにはどのようなお客様に何を伝えたいのか、競合は何なのかを考えます。おそらくクライアントはWeb制作会社やSEO対策会社と比較することが多いと考えられます。また、設立が令和元年なので、これらの業者と比較しても若い会社です。

つまり、SEO対策会社や老舗で実績豊富なWeb制作会社と比較して、お客様はなぜ自社を選ぶのかを明確にしなければなりません。

企業の強みと弱みを把握する

お客様がなぜ自社を選ぶのかを考えるためには、強みと弱みを把握する必要があります。もちろん、強みと弱みは相対的なものなのでお客様が競合と考えるであろう業者の強みと弱みも分析しなければなりません。

例えば、medifundの場合、SEO対策に強い業者とSEOの知識で勝負しても最新のアルゴリズム研究では負けてしまうかも知れませんし、デザインに強いWeb制作会社と事例で勝負しても私たちはまだまだ創業したての会社なので実績が乏しく不利になります。よって、これらをmedifundの強みとして挙げるのは止めておいた方が良いでしょう。

一方でSEO対策業者はSEOには強いけれども全体を俯瞰してマーケティングの戦略を構築する能力には欠けているかもしれません。また、デザインに強いWeb制作会社も見栄えの良いWebサイトが構築できてもそれを成果に繋げられるかわかりません。

自社の強みを洗い出す

競合の強みと弱みを把握した上で、できるだけ競合と強みを重複させない、競合の弱みをつくような自社の強みを考えてください。

medifundの場合、競合が弱く自社が強みを持っている事として、オウンドメディア構築の前提となる営業やマーケティングの戦略レベルからお客様を支援できる特徴があります。

よって、ただSEOやWebデザインに興味があるだけではなく、戦略の段階からサポートを必要としているお客様をターゲットにするべきだということになります。

ユーザーニーズの研究

自社の強みが見つけ出せれば、次はその強みがはまるユーザーを具体的にイメージします。ユーザーを具体化に想定することによって、文章の書き方、想定するリテラシーなどがイメージできるので文体が最適化できます。

また、ユーザーを具体化することはユーザーニーズの発見に繋がります。ユーザーを想定するためには第一段階としておおよそのニーズが必要です。しかし、おおよそのニーズだけ存在しても細かいニーズは想定できません。

おおよそのニーズからユーザー像を割り出してから、ユーザー像をもとに細かいニーズを考えた方が色々なアイデアを創出しやすくなります。

ユーザー及びユーザーニーズを導き出すためには「ユーザーのペルソナを設定する」「ユーザーが求めているものを考える」の2つのステップが発生します。

ユーザーのペルソナを設定する

コンセプトを考える際は想定するユーザーをできるだけ明確にした方が良いでしょう。

例えば、漠然と「30代、男性、育毛剤に興味がある」など特徴を列挙するだけではユーザー像は明確になりません。

「名前は○○で、年齢は○○、どのような会社に勤務していて、ライフスタイルは××、いつから育毛に興味が出て…」といったように一見したところターゲットを絞り込むのに必要なさそうな情報についてもイメージしてください。

このようにターゲット像を具体的な人物レベルまで具体化させることをマーケティング用語で「ペルソナを設定する」と言います。

ペルソナを設定することによって、その人物に向いている文体やリテラシーに合わせて使うべき用語が明確になるので文章が最適化できますし、ユーザーが求めているものも想定しやすくなります。

また、ライターやエディターなど複数のスタッフがメディア運営に関わる場合でもイメージを統一させることによって、個人の解釈によってぶれにくいコンテンツ制作、メディア運営が可能となります。

参考ペルソナは絶対必須!ブログ運営時のペルソナテンプレート

ユーザーが求めているものを考える

設定したペルソナから細かいニーズを考えていく

設定したペルソナから細かいニーズを考えていく

ペルソナが設定できたらユーザーが求めているものを考えます。ペルソナを設定するためにはおおよそのニーズをイメージすることが重要なので、ニーズが先かペルソナが先か迷われるかもしれません。

実際には大よそのニーズを想定してペルソナを設定、細かいニーズを考えます。そして、全体としてちぐはぐだと感じたり、おおよそのニーズから想定されるペルソナ像に無理があれば、もう一度、強みの洗い出しに戻ることもあります。

ユーザーが求めている細かいニーズの洗い出しについては、コンセプトを決めた後でも良いですが、コンセプトと同時に考えると、その後のメディア運営がしやすくなります。

例えば、medifundの場合は、読者としてメディアの戦略段階からサポートが必要なユーザーを想定しています。よって、一般的なWebサイトの構築やSEOに関するニーズがあるのを想定しているだけではなく、メディアの運用体制やコンセプトの決め方など戦略フェーズに関する情報についても積極的にメディア内に入れるようにしています。

コンセプトを決定する

「自社の強みの洗い出し」「ユーザーニーズの研究」の両作業が完了すればコンセプトを決定します。両作業が終了した段階で自然とコンセプトは明確になっているでしょう。

もしも、両作業を行った上で、コンセプトがまだ思いつかない場合は、強みの洗い出しが不十分だったり、想定するユーザーやニーズが的外れだったりとなんらかの不具合が発生している可能性があります。

ちなみに、コンセプトが決定した後に、コンセプトから想定するコンテンツ、目標としているコンバージョンまでの筋道が妥当かどうかも検証した方が良いでしょう。

せっかく良いコンセプトであっても、オウンドメディアから目標とするコンバージョンが発生しなさそうであれば、コンバージョンかメディアのコンセプトのいずれかを調整しなければなりません。

また、コンセプト決定の作業工程のどこかでブレが発生している可能性が高いので、ユーザーのペルソナやニーズなどについて見直した方が良いでしょう。

オウンドメディア成功のカギはコンセプトにあり

オウンドメディアを成功させるためには、自社の強み、ユーザーニーズを反映したコンセプト作りが必要です。コンセプトが明確であればユーザーはそのメディアの価値を正しく把握し、運営側もブレのないコンテンツ制作が可能となります。

コンセプトは突飛なアイデアにより生み出されるのではなく、きちんとした手順を踏むことによって誰でも決定することができます。

参考オウンドメディアのコンセプト設計方法-情報収集段階のユーザーニーズに応える-