コンテンツマーケティングとは、ユーザーに有益なコンテンツを提供することで、ファンの獲得や商品購入につなげるマーケティング手法のことです。コンテンツには記事や動画などの種類があるため、目的に合う手法を選択してマーケティングをおこなうことが大切です。

企業の成功事例を参考にしたり、セミナーに参加したりして、コンテンツマーケティングを成功させましょう。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値の高いコンテンツを発信することで潜在顧客のニーズを満たし、顕在顧客への育成やリピーターの獲得を目指すマーケティング手法です。コンテンツは顧客の興味を引く起点となり、そこからメイン商品やサービスの販売に繋げていくことができます。

たとえば、Web記事などの文章コンテンツから潜在顧客を集客し、興味を持つユーザーにメルマガを配信し、その後、資料請求から問い合わせ、サービスの利用という一連の流れを生み出すことが可能です。

コンテンツマーケティング2
  1. 集客コンテンツで潜在顧客を集める(ブログなど)
  2. 理解促進系コンテンツで商品やサービスに興味を持ってもらう(メルマガなど)
  3. 検討促進系コンテンツでユーザーのアクションを促す(資料請求など)
  4. 問い合わせから購買に至るアクションを促す
  5. 商品の購入やサービスの利用に結び付く

一連の流れが生まれることで、顧客とは各コンテンツを通じて接点が生まれます。各接点を、商品やサービスの購買に結び付けることが、コンテンツマーケティングでは重要です。

コンテンツマーケティングによって一度でも購買に至った顧客は、この先、リピーターやロイヤルカスタマーへと成長する可能性があります。

従来のマーケティング手法は、すでにニーズが顕在化した顧客に売り込みを行っていました。一方、コンテンツマーケティングでは、潜在顧客を育て、顕在顧客またはリピーターに成長させていくことに違いがあります。

コンテンツマーケティングと広告の違い

コンテンツマーケティングと広告は、まったく異なる手法です。どちらも「集客を行って売上に結び付ける」という共通点はあるものの、その施策内容には大きな違いがあります。

コンテンツマーケティングの施策としては、まず情報コンテンツを発信し、検索エンジンなどからユーザー自身に発見してもらいます。ユーザーが直接アクションを起こすため、主導権はユーザーが握ります。

一方、広告の主な施策は、企業側からの積極的なアプローチが基本です。自社の商品やサービスをアピールするため、ユーザー側へ積極的に売り込みを行います。コンテンツマーケティングとは対照的に、企業が主導権を握るプッシュ型の手法です。

現在はスマホのブラウジングによる情報収集も容易となったため、ユーザー主導型のコンテンツマーケティングのほうが時代に即しているといえるでしょう。

ただし、ある程度の集客効果を見込もうと思えば、コンテンツを集積するまでの時間がかかります。一方の広告は、時間をかけず、一時的に高い集客効果が期待できます。

コンテンツマーケティングと広告は、どちらが良い・悪いというものではなく、どちらも一長一短が存在します。双方のメリット・デメリットを理解し、自社に適切な手法を用いることが大切です。

コンテンツマーケティングのメリット

  • 低コストで始められる
  • コンテンツが資産として残る
  • ソーシャルメディアとの相性が良い

低コストで始められる

コンテンツマーケティングは、低コストで開始できるという点が大きなメリットです。

コンテンツマーケティングにおいては広告費が不要です。

たとえば、コンテンツマーケティングの初期段階では、オウンドメディアの構築記事コンテンツの制作を行うことから始めます。そして、記事コンテンツが集客の役割を果たすため、実質、記事を書くための人件費(ライターへの外注代など)だけで済むということです。

広告で集客を行えば、一時的に多くのユーザーを自社サイトに集めることができます。しかし、比較的安価なWeb広告の場合でも、数万~数十万円の広告費が発生します。マス広告になってくると、100万円以上もの資金を用意しなければなりません。

コンテンツが資産として残る

ブログに掲載した記事コンテンツは、サイトが閉鎖しない限り、半永久的にWeb上に情報が残ります。また、情報を常に最新の状態に更新していれば、検索エンジンでも長期に渡って上位表示が可能となり、その間の顧客流入が見込めます。

一方、集客効果の高い広告は、効果が一時的なので資産としては残りません。より長期にかけて集客効果を高めていく場合、コンテンツマーケティングのほうが適しているといえるでしょう。

ソーシャルメディアとの相性が良い

コンテンツマーケティングはソーシャルメディアとの相性が良く、広告を配信しなくても高い集客効果が見込めます。

ソーシャルメディアでは、多くの人に役立つ情報記事や話題のニュースなどが拡散されやすく、質の高いコンテンツ制作を心がけていれば、思わぬことで自社コンテンツが広がっていきます。また、ソーシャルメディアの拡散を意図して、「バズる」ことを主眼に記事コンテンツを作り出すことも可能です。

参考バズる記事の書き方

さらに質の高いコンテンツは検索エンジンからの評価も高く、SEOにも効果があります。SEOとソーシャルメディアを組み合わせることで、より多くの顧客流入が見込めるでしょう。

ソーシャルメディアを有効に活用する場合、ブランディングに効果があることも忘れてはいけません。拡散された記事コンテンツは口コミの役割も果たすため、文章のトーンや口調、姿勢、自社製品に対する想いなどは、広く世の中に広がる可能性があります。ソーシャルメディアでの拡散は意図せず発生することが多いため、常にブランドイメージを意識した情報発信を心がけることが大切です。

コンテンツの種類

  1. 記事としてのコンテンツ
  2. メールマガジンとしてのコンテンツ
  3. 動画としてのコンテンツ
  4. インフォグラフィックとしてのコンテンツ

ユーザーの集客や購買促進など、コンテンツによってWebメディア上での役割が異なるため、その性質を知らなければうまく使いこなすことはできません。

1.記事としてのコンテンツ

コンテンツマーケティングでもっともよく利用されており、また、数あるコンテンツのなかでも非常に重要な役割を担うのが「記事(文章コンテンツ)」です。

ユーザーが検索エンジンを介して始めに訪れるのが、この記事コンテンツとなります。そのため、記事コンテンツはWebサイトの玄関口にもなるため、「どのような記事を用意するか」ということが、コンテンツマーケティングにおけるカギを握ります。

記事コンテンツをさらに分けたものが、次の5種類です。

  • 単発型:簡単なテーマを1記事で完結する形で記事を書く
  • 連載型:複雑なテーマを複数の記事に渡って記事を書く
  • ニュース型:現在注目されているテーマに絞って最新情報を伝える記事を書く
  • データ型:知識やノウハウなど永続性の高いテーマに絞って記事を書く
  • インタビュー型:話題のある人物から取材して記事を書く

たとえば、ニュース型記事は「バズる情報」になりやすいため、ソーシャルメディアと組み合わせることで多くのアクセス増を狙うことが可能です。連載型記事は各コンテンツを内部リンクで繋げるため、ユーザーがサイト内に滞在する時間が長くなり、自社のファンになってもらう可能性が高くなります。

記事コンテンツを利用し、検索流入を増やすコンテンツSEOは、顧客ターゲットユーザーが検索するキーワードを用いてコンテンツを作成します。

2.メールマガジンとしてのコンテンツ

サイトへの集客やファン化といった役割のあった記事コンテンツですが、一方のメールマガジンは、ユーザーに購買までのアクションを促す働きをします。

Webメディアからメールマガジンで発信する情報としては、次のようなものが考えられます。

  • サイトの更新情報
  • メディア掲載の告知
  • イベントの告知
  • イベントのレポート
  • 記事コンテンツで発信した内容のさらに専門的な情報 など

ユーザーがメールマガジンに登録してくれるということは、流入した記事コンテンツの内容に興味を持ってもらえた証拠です。そのため、メルマガによって顧客とより親密なコミュニケーションをとることで、自社サイトに対するロイヤリティを高めることができます。

顧客ロイヤリティが十分に高まれば、メルマガを通して商品やサービスの告知を行うことも可能です。顕在顧客へと成長していく過程のユーザーが商品やサービスを知るということは、それだけ購買に至る可能性も高くなります。

ただし、メールマガジンでは過度なセールスや宣伝は控えましょう。それでは従来の売り込み一辺倒のマーケティング手法と変わりありません。過度なセールスを控えることで、売り込みを嫌がる顧客からも敬遠される可能性が低くなります。

3.動画としてのコンテンツ

動画コンテンツは、ユーザーの認知拡大から購買促進、ブランディングと多様な役割を果たします。

動画は文章よりも簡潔に情報を伝えることができ、画像よりもユーザーの印象に残りやすいコンテンツです。サイト内で自社やサービスを紹介する動画を公開していれば、それだけでユーザーの認知や興味関心に繋がります。

また、「面白い・悲しい・楽しい・素敵」など、動画はユーザーの感情に直接訴えかけることができるため、コンバージョン率が向上する可能性があります。

たとえば、スポーツウェアブランド「アンダーアーマー」は、「I WILL WHAT I WANT」という強い女性イメージを扱った動画が話題となり、コンバージョン率が28%上昇しました。

さらに、動画コンテンツを利用すれば、自社サイト内でブランドCMを流すこともできます。公式サイトでブランドCMを発信しているのは、男性用コスメブランドの「バルクオム」が代表的です。ほんの30秒の短い動画ですが、一目でバルクオムのブランドイメージが分かります。

4.インフォグラフィックとしてのコンテンツ

インフォグラフィックのコンテンツを活用することは、大きな集客に繋がる点でメリットがあります。

インフォグラフィック

インフォグラフィックとは、数値やデータといった情報を画像・グラフ・イラストなどで表したコンテンツです。文章では分かりにくかった情報でも、視覚的に表現することでユーザーの理解を助けます。

インフォグラフィックを扱ったWebページは、SEOに大きな効果を発揮します。ユーザーにとっては情報が理解しやすく、なおかつ視認性も増すので、サイトへの評価が高まります。ユーザーから評価の高いサイトは検索エンジンにも受けが良いため、自然と検索順位も上昇しやすいということです。

また、分かりやすい情報は他者から「役立つ」と評価されることが多いため、引用による他サイトへの掲載(被リンク獲得)や、ソーシャルメディアを通じた拡散など、幅広い場面で集客効果が高まります。

コンテンツマーケティングの成功事例

コンテンツマーケティングは、どのコンテンツを活用するかで結果が大きく異なります。利用するコンテンツの種類は自社のマーケティングの方針や戦略によっても違うので、コンテンツの種類ごとにコンテンツマーケティングの成功事例から学んでいくことが大切です。

記事コンテンツの成功事例「Anny」-コンテンツSEO

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ギフトセレクトショップAnny(ECサイト内に記事コンテンツを追加した例)

ソーシャルギフトサービスを提供するAnnyは、ECサイトに充実した記事コンテンツを投稿することでサイト全体の売上増に繋げています。

Annyは、誕生日や記念日、出産祝い、結婚など、日常生活のシーンごとにギフトを選べるECサイトです。購入したギフトの受け取り専用ページのURLを、メールやソーシャルメディアでプレゼント相手に送信することで、住所が分からない人へも商品を送れます。これをソーシャルギフトといいます。

商品点数は1,200種類以上にものぼり、ファッションやインテリア、美容グッズ、ベビー用品など種類はさまざまです。Annyのコンテンツマーケティングは、そうした商品を記事コンテンツで紹介する仕組みとなっています。

たとえば、Annyの記事一覧を見ると、「感謝の気持ちが伝わるプレゼント10選」や「男性が喜ぶ6種類のギフトを厳選」など、特定のテーマごとに複数の商品を紹介するコンテンツがほとんどです。各記事では、Annyで販売しているギフト商品が中心となっており、内部リンクから販売ページにアクセスすることができます。

この結果、Annyのサイトに訪問したユーザーが記事を見て商品を購入するのはもちろん、Annyのことを知らない新規顧客でも、内部リンクによって記事へ流入させ、そのまま商品購入まで誘導することが可能です。

また、Annyは独自のアプリを発信しており、その会員数は250万人を超えます。アプリでは、商品の購入からメールやLINEでのメッセージ送付までスマホ一つでできるため、人気が集まっています。

Annyのアプリで特徴的なのは、アプリ内メッセージを使って商品購買までの導線を作り出している点です。アプリ内メッセージとは、アプリ利用中のユーザーに画像やボタン付きのダイアログメッセージをポップアップ表示する機能です。

記事コンテンツの成功事例

Annyは、このアプリ内メッセージから各商品ページにアクセスできるリンクを掲載しています。ただ、このときのコンバージョン率はわずか0.5%だったため、新しい施策として、アプリ内メッセージから記事コンテンツを経由し、そこから各商品ページへ誘導するようにしました。その結果、コンバージョン率は3.0%まで上昇し、アプリからのアクセスが大きな売上増に繋がっています。

Annyを利用するユーザーはアプリから注文を行うことも多いため、Web上で記事コンテンツを発信するだけでは、せっかくの商品の魅力に気づいてもらえないことにもなりかねません。そこで、アプリと記事コンテンツをうまく融合し、高いコンバージョン率へと繋げています。

メールマガジンの成功事例「HMVジャパン」

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音楽、書籍購入サイトHMV&BOOKS online(メールコンテンツによる成功事例)

音楽ソフトやレコードの販売会社であり、HMV&BOOKS onlineを運営するHMVジャパンは、コンテンツマーケティングのなかでもメルマガのコンテンツを有効活用して売上を伸ばしています。

HMVジャパンは、実店舗のほかにも、PC向けとモバイル向けのECサイトを運営しています。顧客構成は、実店舗とPC向けサイトの双方で男性会員が過半数を占めています。一方、モバイル向けサイトでは、女性ユーザーの割合が圧倒的です。

つまり、販売チャネルごとに顧客構成が異なるため、各ユーザーに合わせたマーケティングが必須です。そこで目を付けたのがメルマガです。

従来からキャンペーンを行うたびにメルマガを配信し、告知活動や販売促進を行っていました。しかし、ユーザーのなかには実店舗にしか足を運ばない人も多く、顧客ごとに最適なマーケティングが行われているわけではありませんでした。

そこで、「Affinium」というマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入します。Affiniumは、Webアクセスから顧客行動を分析し、それぞれの顧客ごとに最適なCRM(顧客関係管理)を構築できるツールです。

たとえば、HMVジャパンが発信する「ニューリリース情報メール」は、顧客のこれまでの購買データに基づいて、一人ひとり違うリリース商品を紹介します。また、「アーティストメール」や「レコメンドメール」は、これまでの顧客行動によっておすすめする内容が異なります。

メルマガマーケティング

マーケティングオートメーションツール活用の流れ

また、新規顧客に「サンクスメール」を送る際、購買履歴からおすすめ商品を同時に紹介するという試みを行っています。顧客のデータを分析して活用することで、ユーザーの属性に合わせたコンテンツを配信することが可能です。

こうしたマーケティングの最適化が行われることで、従来のマスメールに比べてコンバージョンレート、客単価がともに上昇しています。システムを構築してからわずか数ヶ月で、その投資金額を回収したというほどです。

動画コンテンツの成功事例「Wantedly」

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求人マッチングサイトWantedly(動画コンテンツマーケティングによる成功事例)

求人者と求職者のマッチングソーシャルメディアであるWantedlyは、動画コンテンツを利用することでコンバージョン率を高めています。

Wantedlyでは、企業がビジネスソーシャルメディアとしてアカウントを立ち上げると、フィード(ソーシャルメディア上の記事)や採用情報などを発信することができます。求人者がWantedlyに登録することで、さまざまなフィードや会社プロフィールから企業と繋がることが可能です。

求職者側は、原則サービス料金無料でWantedlyを利用できます。反対に、企業側は継続課金を行ってサービスを利用するため、売上に大きくかかわる求人者の確保が欠かせません。

そこでWantedlyでは、「Wantedly道場」というブログを通じて、企業の採用担当者向けにさまざまなコンテンツを発信しています。成功企業一覧や活用ノウハウなどのほか、なかでもコンバージョン率に大きく影響しているのが「インタビュー動画」です。

インタビュー動画では、Wantedlyを採用した担当者が、サービス内容や機能紹介、導入にいたったポイント、導入して良かった面などを紹介します。ユーザーにとってみれば広告動画にあたりますが、インタビュー形式になっているため、広告という印象はあまり受けません。

サービスを積極的に売り込むのではなく、サービスを利用したときのメリットを重点的に紹介することで、ユーザーから敬遠されることなく、スムーズにサービスの契約へと繋げていくことができます。

また、企業の登録社数を増やすためには、Wantedlyに登録するたくさんの求職者を確保しなければなりません。Wantedlyでは、インタビュー記事を豊富に用意することで、月間200万人もの求職者の確保に成功しています。

インタビュー記事は企業アカウント上のフィードにて公開されますが、会員登録をしていない求職者でも見ることができます。特定の企業で実際に働く人の気持ちがありのままに分かるため、インタビュー記事から会員登録に繋がることも珍しくありません。

インフォグラフィックの成功事例「econte」

インフォグラフィックver. コンテンツマーケティング調査レポート2015年版 _ 株式会社エコンテ

コンテンツマーケティングの調査レポートを図解ページで公開する株式会社エコンテ

コンテンツマーケティングやオウンドメディアの構築を支援するeconteは、インフォグラフィックに大きな強みを持ちます。

econteのサービスのなかには「インフォグラフィックプラン」があり、Webサービスを運営する企業向けに提供しています。

インフォグラフィックにも複数の種類があり、それぞれ活用シーンが異なります。

  • 静止画インフォグラフィック
  • 動画インフォグラフィック
  • インタラクティブインフォグラフィック
  • 調査プレスリリース×インフォグラフィック
  • コンテンツマーケティング×インフォグラフィック

静止画インフォグラフィックは、数値やデータなどの情報を一枚の画像で表現する方法です。インフォグラフィックのもっとも基本的な形で、Webページやポスター、プレゼン資料など広範にわたって利用できます。

インタラクティブインフォグラフィックは、静止画と動画の中間にあたります。たとえば、年代や地域などで統計内容が変わる場合、画面をマウスでクリックすることで表示データを切り替えることが可能です。

また、econteが提供する調査プレスリリースやコンテンツマーケティングと組み合わせて、インフォグラフィックを提供することもあります。

さらにコンテンツマーケティングの施策を参考にしたい場合は、「コンテンツマーケティングで参考にすべき事例と実施戦略【国内オウンドメディア】」をご確認ください。さまざまな業種やサービスを紹介しているため、自社に合ったメディア事例が見つかるはずです。

コンテンツマーケティングを始める4ステップ

コンテンツマーケティングを始める4ステップ
  1. コンテンツの種類を決めて体制を整える
  2. ペルソナを設定しコンテンツを作成する
  3. コンテンツを発信する
  4. 検証と改善を繰り返す

1.コンテンツの種類を決めて体制を整える

コンテンツマーケティングの開始段階では、コンテンツの種類を決めて体制を整える、つまり戦略を立てていきます。

戦略やプランニングなしにコンテンツマーケティングを始めてしまうと、思うようにコンバージョンに繋がらない可能性もあります。このような事態を避けるため、準備段階で、「最終ゴールの設定」「コンテンツの種類を選ぶ」「運用メディアの選定」「KPI・KGIの設定」を行っていきます。

最終ゴールの設定

コンテンツマーケティングでは、まず最終ゴールとなる「コンバージョンとなる売上商品・サービス」を設定していきます。コンテンツマーケティングとはコンテンツを使って最終売上まで繋げる手段なので、最初に自社のコンバージョンを理解しておかなければなりません。

先ほどの事例から挙げると、Wantedlyの場合は「企業がサービスに登録すること」、HMVジャパンは「CDや音楽ソフトなどの売上獲得」、Annyは「ギフト商品の購入」が最終的なコンバージョンとなります。

つまり、最終的なゴールが不明瞭なままだと、コンテンツから導線を描くときに道筋が分からなくなります。自社のメイン商材が商品のときは購買、サービスのときは会員登録や契約成立など、それぞれ最適なゴールを設定しておきましょう。

コンテンツの種類を選ぶ

ターゲットユーザーが利用している媒体の中から、事業の強みをアピールしやすいコンテンツの種類を選びます。

  • 記事コンテンツ
  • メールマガジン
  • 動画コンテンツ
  • インフォグラフィック

コンテンツマーケティングでよく利用されるのは、記事コンテンツです。しかし、ECサイトを運営する場合は、HMVジャパンのように、記事コンテンツを用意せず、メルマガによってコンバージョンに繋がる仕組みを構築することもあります。

また、上記4つのコンテンツは単独で利用するよりも、複数を組み合わせて使ったほうがコンバージョンに繋がりやすいといえます。

たとえば、econteの事例は存在するものの、インフォグラフィックのみでコンテンツマーケティングを実施するのは簡単ではありません。そこで、記事コンテンツにインフォグラフィックを組み合わせることで、質の高い記事による集客効果の向上や、ユーザーからの信頼獲得といった効果が生まれます。

ただし、利用するコンテンツが増えるほど、それに携わる人員の数も必要です。メディア立ち上げ当初は、ひとまず記事コンテンツのみで発信を行い、徐々にコンテンツの種類を拡充するというのも方法の一つです。

運用メディアの選定

コンテンツの種類を選ぶことができれば、今度は運用するメディアタイプをトリプルメディアから選択するとよいでしょう。

トリプルメディアの種類

 

  • オウンドメディア
  • ペイドメディア
  • アーンドメディア

オウンドメディアとは、自社で保有し、自社ですべてのコントロールができる運用媒体のことです。ブログや企業ホームページなどが挙げられます。記事コンテンツと非常に相性がよく、ほかのコンテンツも柔軟に対応させることができることから、コンテンツマーケティングのなかでも中心的な役割を担います。

参考オウンドメディアとは

ペイドメディアとは、費用を投じて運用する媒体を指します。マス広告やWeb広告など、いわゆる宣伝広告がこのペイドメディアにあたります。短期間で多くの顧客に触れることができる点がメリットです。

アーンドメディアは、顧客からの信頼を獲得する運用媒体のことです。掲示板や口コミサイトなど、一般ユーザーによってコンテンツが生み出されていくCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)が代表的ですが、最近ではTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが主流になっています。顧客ともっとも近い距離でコミュニケーションができるため、ブランディングに最適です。

KPI・KGIの設定

コンテンツマーケティングの成功には、適切なKPIとKGIの設定が欠かせません。KPIとKGIを設定していなければ、適切なデータの検証や目標が達成できなかった場合の原因が解明できないからです。

必ず、コンテンツマーケティングの戦略を立てる段階で各指標を設定しておきましょう。

参考KPIとは

KGIは「重要目標達成指標」とも言われ、最終的なコンバージョンの数値を表します。「特定サービスの申し込み」が一つのコンバージョンであれば、「月間の売上金額300万円」のように具体的な目標を設定します。

KPIは「重要業績評価指標」となり、設定したKGIを達成するための手段となります。たとえば、「月間の売上金額300万円」というKGIを達成するために、「サービスの問い合わせ件数が月に100件」というように設定します。

また、「サービスの問い合わせ件数が月に100件」というKPIを達成するため、さらに「メルマガの購読率3%以上」など、サブKPIを設定することも忘れてはいけません。メルマガの購読率を高めるために、「月間PV10万」「直帰率60%以下」のように、KPIをより深堀りしていくことで計画が一層具体的になります。

KPIを細かく設定しておくと、この後のコンテンツ作成でも、「どのような内容を発信していくか」という具体像をイメージしやすくなるでしょう。

参考オウンドメディア運用目的他社事例

2.ペルソナを設定しコンテンツを作成する

コンテンツマーケティングの体制が整った後は、具体的なコンテンツの形を考え、その内容を実際に作成していきます。

ただし、コンテンツは単に情報を詰め込めばよいというわけではありません。コンバージョンに至るコンテンツを作成するには、「ペルソナの設定」「競合リサーチ」「導線の構築」「コンテンツ作成」を考えていく必要があります。

ペルソナの設定

コンテンツを作っていくには、ペルソナを設定し、そのニーズに沿った内容を考案していくことが不可欠です。また、コンテンツマーケティングでは、ペルソナと同様、カスタマージャーニーマップを利用することも珍しくありません。

自社で設定する顧客ターゲットを細分化したものがペルソナです。性別や年齢層はもちろん、ときには氏名や住所、職業、性格、キャリア、行動特徴など細かく設定し、一人の顧客像を作り出します。具体的なイメージができあがると、コンテンツ作成時のキーワード選定や文章構成などがより正確なものとなります。

ペルソナ

カスタマージャーニーマップとは、顧客の各行動ステージで、どのような顧客接点やユーザーエクスペリエンス(UX)を生み出すかを図式したものです。主に、顧客の行動ステージごとに、どのコンテンツを提供し、どうやって次の行動ステージへ繋げていくかを考察するときに用います。

ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成は、決してマーケティング担当者だけで完成できるものではありません。顧客をよく知る営業マンやプロモーション担当者など、複数の部署を交えて作り上げることが重要です。

参考カスタマージャーニーマップとは

競合リサーチ

コンテンツマーケティングで忘れがちなのが競合リサーチです。競合リサーチを行っておかないと、コンテンツを発信した後に競合が多いことを知り、検索流入がなかなか増えないということにもなりかねません。

こうした事態を避けるためにも、競合他社のメディアでどのような情報が発信されており、ユーザーが商品やサービスを購入するまでの経路をどう確保しているのか、を確認しておきましょう。

競合リサーチを行うときは、SWOT分析のフレームワークが便利です。SWOT分析は、特定の企業やサービスに対して、「強み・弱み・機会・脅威」の4つの要素を検証し、現在の状態を把握するときに利用します。

内部要因を考えるときは、4Pのフレームワークを使います。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(広告宣伝)

また、外部要因を考える際は、4Cのフレームワークを活用しましょう。

  • Customer Value(顧客にとっての価値)
  • Customer Cost(顧客が費やすお金)
  • Convenience(顧客にとっての利便性)
  • Communication(顧客とのコミュニケーション)

フレームワークを利用することで、それぞれの要因であいまいな分析結果に陥りづらくなります。たとえば、「商品が可愛い」といった主観的な内容ではなく、フレームワークを意識すると、「商品点数が豊富」といった客観的なデータでSWOT分析が可能です。

自社と競合他社のSWOT分析を行うことで、それぞれの得意・不得意が明確になります。コンテンツを作成するときは、自社が得意で独自性になりえる部分を探すことが大切です。

導線の構築

コンテンツマーケティングでは、顧客が一つのアクションだけで終わらないよう、各コンテンツの接点に導線を構築することが欠かせません。

たとえば、せっかくメルマガの購読者を獲得したとしても、商品の購入ページまでの誘導リンクや資料請求や問い合わせ方法が記載されていなければ、顧客の行動はメルマガ内で終了してしまいます。

そこで、先ほど作成したカスタマージャーニーマップを参考に、行動ステージのコンテンツごとに導線を設定していくことが必要です。

導線の構築パターン(一例)

  1. SEOによって検索エンジンから顧客を記事コンテンツへ流入させる(集客導線)
  2. 記事コンテンツにメルマガの登録先を掲載し誘導する
  3. メルマガに無料のeBookダウンロードリンクを掲載し誘導する
  4. eBookから問い合わせへと繋がるリンクやフォーマットを掲載
  5. 問い合わせからサービスの契約へと繋げる

導線の設計は上記ほど複雑にする必要はありません。先ほどお伝えしたHMVジャパンの事例のように、「メルマガ→商品リンク→商品購入」というシンプルな形でも、適切に導線が設置されていればコンバージョンに繋がります。

コンテンツ作成

導線まで考えることができれば、今度は実際にコンテンツを作っていきます。コンテンツの質が低ければ、どんなに素晴らしい戦略を練っても絵に描いた餅でしかありません。

コンテンツを作成する4つのポイント

  • ユーザーに役立つコンテンツを作る
  • 他社にはないコンテンツを作る
  • SEOに強いコンテンツを作る
  • コンテンツ作りを継続する

コンテンツマーケティングの最終目標は商品やサービスの売上拡大にありますが、そこへ至るまでの間に、自社のファン・リピーターを作ることが必要となってきます。ユーザーは自社の商品やサービスについて知らないことも多いため、役に立ち、独自性の高いコンテンツでファンを獲得していくことが重要です。

また、コンテンツの更新頻度が低くなると、ユーザーの離反を招く可能性もあります。そのため、継続してコンテンツを発信できる体制作りも考えておくようにしましょう。

コンテンツの作成は、自社ですべてをまかなう必要はなく、クラウドソーシングなどを使って外注することもできます。外部の人材を活用するときは、納期や品質、予算など、アウトソーシングを統括するディレクターが必要です。

コンテンツを作成するときのネタ探しをするときは、「コンテンツマーケティングでネタを量産する方法」をご確認ください。ネタ出しに有効な複数のツールを紹介しつつ、コンテンツを量産する方法をお伝えしています。

3.コンテンツを発信する

コンテンツが作成できれば、今度は発信を行っていきます。ただし、単にコンテンツを発信するだけでは、なかなか多くの人に見てもらうことはできません。どれだけ質の高いコンテンツを作っても、見てもらう人がいなければコンテンツマーケティングを実施する意義はないといえるでしょう。

コンテンツを多くの人に見てもらおうとすると、何よりもプロモーションが重要となってきます。プロモーション方法は運用するメディアによって異なるため、各媒体の特徴や仕組みをしっかりと理解し、自社コンテンツに最適なものを選びましょう。

オウンドメディアを用いた発信方法

オウンドメディアでは、主にブログや企業ホームページを使ってコンテンツを発信していきます。その集客導線となるのは、主に検索エンジン、または別のWebページです。

検索エンジンを利用するユーザーは、特定のキーワードを入力して目的のWebページを見つけます。そのため、オウンドメディアでは、主に記事コンテンツを中心に利用していきます。

また、記事コンテンツが有用な情報だと判断された場合、別のWebページに被リンクが掲載されることがあります。この被リンクから自社サイトへとユーザーを誘導することが可能です。

どちらの発信方法にも、「質の高いコンテンツを作成すること」という点が共通しています。検索エンジン、別のWebページともに、「ユーザーに役に立つ情報」を重視します。検索エンジンにおける質の高いコンテンツは上位表示に繋がりますし、別のWebページに掲載される場合も、高品質のコンテンツほど多くの被リンクを獲得できます。

検索エンジンの上位表示や被リンクの獲得は、どちらもSEO対策の一環です。つまり、オウンドメディアで記事コンテンツを発信するには、SEOの知識が必要不可欠といえるでしょう。

SEOに効果的な施策

  • レスポンシブ対応
  • スマホでも読みやすい文字サイズでの記述、誤タップを防ぐボタン・バナーサイズでのデザイン
  • SSL化
  • パンくずリストの表示
  • ファーストビューの高速表示化
  • クローラビリティを高めるサイト設計(内部リンク設計)
  • Ping自動送信機能
  • Googleフレンドリーなマークアップ(検索エンジンが認識しやすいHTML記述)
  • ソーシャルメディア連携機能(ソーシャルメディア拡散で被リンク獲得の可能性やページ評価向上までの期間を短くするなど)

参考SEO対策の方法

ペイドメディアを用いた発信方法

ペイドメディアでは、主に広告を用いて情報を発信していきます。なかでも、リスティング広告は、コンバージョンに繋がりやすい検索エンジンのユーザーのみを対象に集客する手段となるため、コンテンツマーケティングでも効果的な発信方法です。

オウンドメディアのコンテンツに比べ、ペイドメディアでは短期間に成果をあげることができます。広告を出稿するために最低限の費用は必要ですが、即時性の高い情報コンテンツを扱っていたり、記事コンテンツを使わずにマーケティングを進めていく場合などには、ペイドメディアが向いています。

ただし、リスティング広告を行うときは専門的な知識が必要です。適切なキーワード選定から広告予算の策定、運用成果のA/Bテスト、ヒートマップ解析という流れで運用を進めていきますが、知識がない場合は専門業者に依頼するほうが無難といえるでしょう。

アーンドメディアを用いた発信方法

アーンドメディアは主にソーシャルメディアを利用して情報の発信を行っていきます。

ソーシャルメディアでの情報発信を行うことによって、ブランディングの確立や自社サイトへの流入のほか、プロモーションを利用して直接コンバージョンページに誘導することも可能です。また、ソーシャルメディアとオウンドメディアをうまく組み合わせることで、検索エンジンの評価を高める効果も期待できます。

ソーシャルメディア運用のコツ

  • 企業アカウントではなく、個人アカウント、もしくはキャラクターアカウントを運用する
  • 毎日コンスタントに3投稿以上
  • 写真撮影や画像作成が得意な担当者に運用してもらう
  • ニュース性のある投稿を適宜行う
  • 宣伝は20投稿に1回まで
  • フォロワーの多いアカウントがシェア・リツイートしたくなる投稿を企画する

オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアと3つの運用媒体のうち、必ずしもどれか一つだけを選ばなければいけないわけではありません。こうしたトリプルメディアは同時に運用することも可能なので、予算や担当者の状況などを判断しつつ、適切な選択を行って下さい。

4.検証と改善を繰り返す

コンテンツマーケティングの最後の段階では、コンテンツの検証と改善を繰り返して、より効果の高い内容へと改善していきます。

Webコンテンツは何度でも修正が可能なため、文章のリライトや、リンク・ボタン位置の調整など、改善を重ねてコンバージョン率を改善することが可能です。専門的に言えば、「PDCAサイクルを回す」ということになります。

コンテンツの検証を行うには、まず一度公開したコンテンツを分析しなければなりません。ここで重要となるのが、コンテンツマーケティングの戦略を立案したときに設定したKPIとKGIです。

分析ツールを利用し、KPIやKGIの指標に沿って結果を測定します。もし目標に到達できていない場合、コンテンツマーケティングが効果的に働いていない可能性があります。そのときはコンテンツを修正し、再び公開して効果を見守ることになります。

検証に便利なツール

コンテンツの検証に役立つツールは、「Google Analytics」と「Search Console」の2つです。どちらもGoogleから提供されており、誰でも無料で利用することができます。

Google Analyticsでは、自社サイトのユーザー数やPV、CVR、直帰率、平均滞在時間などのデータを参照することが可能です。ほかにも、ユーザー属性やサイト内での動線、ページごとの詳細データなどが分かります。

Search Consoleでは、Google検索結果でのインプレッション数やCTR、平均掲載順位が確認できます。ページごとの掲載順位の推移まで分かるため、自社のSEO対策の効果を理解するには最適です。

KPIやKGIを設定するときも、Google AnalyticsやSearch Consoleの各指標を参考にするとよいでしょう。

コンテンツマーケティングを深く理解するために

コンテンツマーケティングの理解をさらに深めるには、セミナーやイベントに参加するほか、関連書籍を読むことをおすすめします。セミナーやイベントで理解度を高めていくことで、よりコンテンツマーケティングの効果が向上していくはずです。

コンテンツマーケティングが学べる勉強本

エピック・コンテンツマーケティング

エピック・コンテンツマーケティング

エピック・コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングの第一人者であるジョー・ピュリッジ氏によって書かれた渾身の一作です。コンテンツマーケティングの概要から述べられているため、初めて触れるという方にも読みやすくなっています。

コンテンツの生み出し方から管理方法、適切な周知を行うための戦略の立て方と、コンテンツマーケティングの手順に沿って分かりやすく解説されています。これからコンテンツマーケティングを始めるという方であれば、必ず1回は読んでおきたい本です。

できるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88 (できスタ)

きるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88

きるところからスタートする コンテンツマーケティングの手法88

コンテンツマーケティングの概念や考え方ではなく、具体的で細かい手法だけを解説する書籍です。すでにコンテンツマーケティングの基本は学んでおり、より実践的な知識を修得したい方に向きます。

たとえば、コンテンツ制作における外注の方法、文章コンテンツの執筆方法、リスティング広告の設定方法など、コンテンツマーケティングに必要な実務内容が中心です。先ほどのエピック・コンテンツマーケティングと一緒に読むことで、知識とノウハウを共に学ぶことができるでしょう。

自社に合うコンテンツマーケティングを見極め成功させよう

コンテンツマーケティングは、活用するコンテンツや運営するメディアなどが複数に分かれるため、いかに自社に合った要素を組み合わせて運用するかがカギを握ります。

それぞれのコンテンツやメディアをすべて活用することもできますが、それだけ手間もかかるため、最初のうちは記事コンテンツやオウンドメディアといった基本となるものから使っていきましょう。

ただ、コンテンツやメディア選びに失敗したとしても心配はいりません。Webコンテンツは何度でもやり直しがきくからです。一度公開した情報でも、何度も検証と改善を繰り返して、よりコンバージョンに繋がる施策を考えてみてください。